中国EVスコアボード 2026年10月:BYDはひとりだけ別競技、小鵬と小米が「5万台クラブ」入り

BYDの10月の新エネルギー車(NEV)販売は49万168台。このスコアボードに並ぶ残り7社を全部足しても届かない数字です。2位の零跑汽車(リープモーター)は10万6,127台をキープ、小鵬汽車(シャオペン)と小米(シャオミ)がそろって5万台を突破した一方、蔚来(NIO)、ファーウェイ系の鴻蒙智行(HIMA)、極氪(ZEEKR)、理想汽車(Li Auto)はいずれも9月から数字を落としました。

毎月恒例の中国EV納車スコアボードです。主要ブランドを1枚の表にまとめ、前月比・前年同月比は各社の公表値から計算しました。BYDのBEVが初めて月30万台を超えたニュースは昨夜の記事で速報済み。今回はその全体ランキング版です。

2026年10月のランキング

順位ブランド2026年10月2026年9月前月比2025年10月前年同月比
1BYD(NEV合計)490,168463,561+5.7%441,706+11.0%
2零跑汽車106,127105,656+0.4%70,289+51.0%
3小鵬汽車50,23741,256+21.8%42,013+19.6%
4*小米5万台超40,015+25.0%以上48,654+2.8%以上
5蔚来(NIO・ONVO・firefly)34,24637,408−8.5%40,397−15.2%
6鴻蒙智行(HIMA)33,53737,490−10.5%68,216−50.8%
7極氪(ZEEKR)32,48337,216−12.7%21,423+51.6%
8理想汽車29,02531,817−8.8%31,767−8.6%
–テスラ中国(乗聯会・卸売)未発表95,366–61,497–

各社が公表した10月の納車台数(BYDは販売台数)。BYDと零跑は輸出を含みます。*小米は「5万台超」としか公表していないため、増減率は最低ラインで、小鵬との順位は中国乗用車協会(乗聯会、CPCA)の確定値待ちです。前月・前年同月の数字も各社の公表値で、増減率はEVX編集部の計算です。

BYD:ひとりだけ階級が違う

BYDの香港取引所への届け出によると、49万168台の中身はこうです。

  • BEV乗用車:30万5,743台(前年同月比37.4%増、前月比11.9%増)
  • PHEV乗用車:17万7,382台(前年同月比17.2%減、前月比3.4%減)
  • 商用車:7,043台
  • 輸出:17万194台(前年同月比102.8%増、ただし9月比では5.8%減)

乗用車に占めるBEVの比率は63.3%。中国国内の販売は31万9,974台で前年同月より10.6%少なく、前年比のプラスは海外が稼いだ形です。財聯社、新浪財経、第一電動網も届け出と同じ数字を報じています。BYDの海外好調は第3四半期決算にもそのまま表れていました。

新興勢:動いたのは誰か

零跑汽車は4カ月連続で10万台超え。ただ9月からの上積みはわずか471台です。年初来は77万2,666台で、年間目標100万台に届くには11月・12月に月約11万3,700台が必要になります。

小鵬汽車は前月比21.8%増で初の月5万台超え。確定値ベースでは表の中で最大の伸びです(上回る可能性があるのは「25%以上」の小米だけ)。海外納車は過去最高の1万3,326台で、全体の約26.5%を占めました。

小米は公式微博で今年最高の月間納車を発表。9月に出したレンジエクステンダーシリーズ「澎程(Sky Nomad)」が初めて丸1カ月フルに寄与しました。ただ「5万台超」という下限しか出していないので、小鵬を抜いたかどうかはまだわかりません。

蔚来は前年同月比15.2%減で、2024年2月以来の前年割れ。ブランド別だと明暗がくっきりで、NIOブランドは1万8,125台(5.7%増)、小型車のfireflyは過去最高の7,738台(30.9%増)、ファミリー向けのONVO(楽道)は8,383台(51.7%減)でした。

鴻蒙智行は前年同月比50.8%減の3万3,537台で、表の中で最も大きな落ち込み。問界(AITO)、智界、享界、尊界などを束ねるアライアンスですが、10月のブランド別内訳は出していません。極氪は9月比12.7%減で6カ月続いた記録更新がストップ、それでも前年同月比では51.6%増です。理想汽車は前月比・前年比ともマイナスの2万9,025台で最下位。うち3,000台超は新型MEGAだったとしています。

テスラ中国:乗聯会の発表待ち

テスラは中国の月間台数を自社では出しません。上海工場の数字は乗聯会の速報で判明しますが、この記事の公開時点ではまだ出ていません。参考までに、9月の上海工場の卸売は今年最高の9万5,366台(輸出3万529台、中国国内6万4,837台)、2025年10月は6万1,497台でした(CnEVPostが集計した乗聯会データ)。テスラ中国は国内販売のてこ入れにモデル3とモデルYの頭金を半額にし、金利0%ローンも用意しています。乗聯会の数字が出たら、この表にテスラを加えます。

EVXの視点

今月の構図はシンプルで、伸びたのは新型車か輸出の太いパイプを持つブランド(BYD、小鵬、零跑)、中国国内の弱い需要に頼るブランドは後退しました。テスラにとってこれが大事なのは、乗聯会の卸売台数が上海からの輸出と国内販売を合算した数字だからです。しかも日本に入ってくるモデル3とモデルYも上海製。上海の輸出が強い月は、中国国内の小売が弱くても、日本での納期にはむしろ追い風です。BYDジャパンとの対比も強烈です。BYDは1カ月で50万台近くを売りますが、日本での販売は9月、新型軽EV「ラッコ」を含めても1,000台未満でした(日本自動車輸入組合と全国軽自動車協会連合会の速報ベース)。BYDが日本で苦戦しているというより、日本市場がなくても困らないということ。そして月17万台の輸出は、トヨタ・ホンダ・日産が稼いでいる海外市場で真正面からぶつかっています。

輸入組合の10月の新規登録台数は11月上旬に発表予定。乗聯会による小米とテスラの確定値もその前後に出るはずで、どちらもこのスコアボードの次回更新に反映します。

出典:BYD 香港取引所届け出(2026年10月産銷快報)、財聯社(BYD)、新浪財経(BYD届け出)、第一電動網(BYD)、東方財富網(新興勢、各社微博)、新浪財経(新興勢)、鳳凰網汽車(まとめ)、中国証券報(新浪経由)、毎日経済新聞(極氪)、第一財経(鴻蒙智行)、新浪財経(鴻蒙智行・極氪・蔚来)、CnEVPost(まとめ・過去データ)、CnEVPost(テスラ中国9月)、Money1(輸入組合・全軽自協9月データ)。

— EVX News編集部

アイキャッチ画像:グラフ作成 EVX News(各社公表の2026年10月納車台数より)

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EVX News Desk
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