BYDの利益が再び伸び始めました。けん引役は中国の外です。同社が発表した2026年第3四半期(7〜9月)の株主帰属純利益は100億2,000万元(約2,370億円)で前年同期比28.08%増、売上高は2,214億9,000万元(約5.2兆円)で13.59%増でした。
決算の発表は10月29日(木)。钛媒体(TMTPost)が報じたのは北京時間午後5時54分、日本時間では同日午後6時54分(米東部時間同日午前5時54分)です。新京報、21世紀経済報道、钛媒体など中国メディアが同じ数字を伝えており、21世紀経済報道は「四半期の純利益が100億元の大台に戻った」と指摘しています。
四半期は好調、通期ではまだ横ばい
ただ、引いて見ると景色は少し地味です。1〜9月の累計売上高は5,663億元(約13.4兆円)でほぼ前年並み、純利益は4.24%減の223億5,000万元(約5,280億円)でした。営業キャッシュフローは33.36%増の544億7,000万元(約1.3兆円)と好調。第3四半期の基本的1株利益は29.41%増の1.10元(約26円)です。それでもDrive Teslaが引用したロイターによると、アナリスト予想には届きませんでした。
販売台数も同じ構図です。蓋世汽車(Gasgoo)と南方+によると、1〜9月の累計は313万1,576台で前年比3.94%減。9月単月は46万3,561台で、前年同月比16.98%増でした。
海外が成長エンジン
伸びを支えているのは輸出です。9月の乗用車・ピックアップの海外販売は17万9,877台で前年同月比153.9%増。1〜9月の累計は133万7,831台で92.66%増でした(蓋世汽車、南方+)。新京報によれば、この9カ月分だけで2025年通年の海外販売をすでに上回っており、1〜9月の総販売に占める海外の比率は約43%。BYDの新エネルギー車は120以上の国と地域で販売されています。
一方、中国国内の新エネルギー車市場は冷え込み気味です。今週お伝えしたとおり、10月1〜25日の小売販売は13%減でした。海外の数字がこれほど重要なのは、そのためです。
日本にとっての意味
日本もその「海外」の一つで、しかも手ごわい市場です。BYDは7月28日、初の軽自動車「BYD RACCO(ラッコ)」を日本で発売しました。価格は税込214万5,000円からで、CEV補助金は全グレード一律15万円。海外メーカーが日本の軽規格に合わせて専用設計した、初めての軽EVです。一つの国の小さなクルマのためにこれだけの開発ができるのは、上の海外販売の数字があってこそ。忠誠心の強いことで知られる日本の軽ユーザーが日産サクラから乗り換えるかどうか、次に注目したい数字はそこです。
出典:新京報、21世紀経済報道(21经济网)、钛媒体、蓋世汽車、南方+、Drive Tesla、BYD Auto Japan
— EVX News編集部
アイキャッチ画像:日本で展示されたBYD RACCO(ラッコ)のプロトタイプ(2025年)。写真:TTTNIS / Wikimedia Commons(CC0、トリミングあり)
