アルファベット株が上場来最悪の12.6%安、テスラは400ドル台で涼しい顔

アルファベットが上場来ワーストの1日を記録しました。ウェイモの親会社は第3四半期決算の未達と現金流出の拡大を嫌気され、木曜に12.64%安の283.82ドル(約4万4,800円)。ナスダック総合指数も1.38%下げました。ところがテスラはほぼ無風で、0.23%安の403.30ドル(約6万3,700円)。3日連続で400ドル台の終値を守り、5日間では7.67%高です。モービルアイは決算で9.21%安、一方でフォード(+3.43%)とGM(+3.93%)は気持ちのいい上昇。東京ではアドバンテストが業績予想の上方修正で6.01%高、日経平均は705.28円高の6万4659.47円でした。

きょうの注目銘柄

  • アルファベット(GOOGL)283.82ドル、−12.64%。水曜の時間外の下げが、昼の取引でさらに深くなりました。CNBCによると、2020年3月の11.63%安を抜いて上場来最大の下落率で、時価総額は約5,000億ドル(約79兆円)吹き飛びました(CNBC)。調整後1株利益は2.67ドル(約422円)で予想の3.02ドル(約477円)に届かず、売上高も1,275億8,000万ドル(約20兆1,600億円)と予想の1,282億2,000万ドル(約20兆2,600億円)に未達。フリーキャッシュフローはマイナス90億7,000万ドル(約1兆4,300億円)で、アナリスト予想の約3倍の赤字です。2026年の設備投資見通しは1,950億〜2,050億ドル(約30兆8,000億〜32兆4,000億円)で据え置き、2027年は「大幅に増やす」としています(CNBC)。いちばん市場を怖がらせたのは検索広告で、12%増の633億5,000万ドル(約10兆円)ながら2四半期連続の予想割れでした(AP通信)。年初来は9.32%安。ウェイモはグーグルの財布で走っているので、その財布の中身はこれからも要チェックです。
  • テスラ(TSLA)403.30ドル、−0.23%。ナスダックが1.38%下げた日に、テスラの下げはたった0.92ドル(約145円)。5日間では7.67%高、年初来は−10.32%です。ニュースも明るめで、ロボタクシーアプリではヒューストンとダラスの初回利用者に無料乗車が提供されています(Not a Tesla App)。新型ロードスターはホーソーンのスペースX本社前、ファルコン9の隣に展示され、合併ウォッチャーをざわつかせました(Teslarati)。CNBCの時間外気配は日本時間30日(金)午前7時46分(米東部時間29日午後6時46分)時点で397.09ドル(約6万2,700円、1.54%安)でした。
  • スペースX(SPCX)143.89ドル、−0.92%。公開価格135ドル(約2万1,300円)比ではまだ6.59%高。5日間の下落率は0.59%まで縮みました。CNBCによると時間外は140.41ドル(約2万2,200円、2.42%安)です。
  • モービルアイ(MBLY)6.41ドル、−9.21%。株価ほど中身は悪くありません。第3四半期の売上高は2.4%減の4億9,200万ドル(約777億円)でしたが、市場予想の約4億7,700万ドル(約754億円)を上回り、調整後1株利益は11セント(約17円)。通期売上高見通しも19億9,500万〜20億2,000万ドル(約3,150億〜3,190億円)へ小幅に引き上げました(Benzinga)。売られた理由は、システム平均単価の5%低下、RBCによる「アンダーパフォーム」への格下げ(Investing.com)、そしてアムノン・シャシュアCEOの後任がまだ決まっていないこと(Globes)。年初来は38.60%安です。
  • フォード(F)12.36ドル、+3.43%/GM(GM)85.72ドル、+3.93%。フォードは調整後1株利益0.49ドル(約77円)で予想の0.41ドル(約65円)を上回り、調整後EBITは26億6,000万ドル(約4,200億円)。通期EBIT見通しの下限を引き上げ、105億〜110億ドル(約1兆6,600億〜1兆7,400億円)としました(Yahoo Finance)。GMは決算なしでボード首位。11月17日のNYSEからナスダックへの移管がまだ効いていて、5日間で11.02%高です(CNBC)。年初来は+5.41%になりました。
  • そのほかのボード。水曜のエンフェーズ・ショックから太陽光株は少し戻し、ソーラーエッジが3.54%高、エンフェーズが3.48%高の25.86ドル(約4,090円)、サンランが2.29%高。ルーシッドは6.16%安の3.20ドル(約510円)、サーブ・ロボティクスが5.96%安、シンボティックが4.03%安、アルベマールが3.81%安でした。中国EVは理想汽車が2.19%安、小鵬汽車が1.50%安、NIOは変わらず。BYDは第3四半期決算を出した日に香港で2.55%安の68.65香港ドル(約1,380円)。ロイターは増益ペースが鈍り予想に届かなかったと伝えています(ロイター)。米国23銘柄のうち上昇は8銘柄だけです。
  • 主要指数。ナスダック総合指数は1.38%安の2万6184.72、S&P500は0.30%安の7720.39、ダウ平均は132.54ドル(0.25%)安の5万2342.56でした(AP通信)。フィラデルフィア半導体株指数は1.42%安の1万1518.20、エヌビディアは0.80%安の213.66ドル(約3万3,800円)です。

ボード:米国上場銘柄

2026年10月29日(木)の終値。前日比は28日(水)終値、5日間は10月22日終値、年初来は2025年12月31日終値との比較です。

ティッカー銘柄終値前日比5日間年初来
マスク銘柄
TSLAテスラ$403.30−0.23%+7.67%−10.32%
SPCXスペースX$143.89−0.92%−0.59%+6.59%*
米国EVメーカー
RIVNリヴィアン$11.45−1.89%−5.06%−41.91%
LCIDルーシッド$3.20−6.16%−7.51%−69.73%
GMゼネラル・モーターズ$85.72+3.93%+11.02%+5.41%
Fフォード$12.36+3.43%+3.52%−5.79%
中国EV
1211 HKBYD(香港、香港ドル)HK$68.65†−2.55%+1.85%−28.00%
NIONIO$3.32+0.00%+0.30%−34.90%
XPEV小鵬汽車(XPeng)$9.18−1.50%+1.21%−54.73%
LI理想汽車(Li Auto)$11.14−2.19%−2.88%−34.20%
自動運転・AI半導体
NVDAエヌビディア$213.66−0.80%+0.68%+14.56%
GOOGLアルファベット(ウェイモ)$283.82−12.64%−12.46%−9.32%
MBLYモービルアイ$6.41−9.21%−7.77%−38.60%
UBERウーバー$65.74+0.72%−4.82%−19.54%
ロボット
SYMシンボティック$37.40−4.03%−7.33%−37.14%
SERVサーブ・ロボティクス$2.84−5.96%−1.39%−72.64%
太陽光・蓄電
FSLRファースト・ソーラー$176.89+0.33%+3.29%−32.29%
ENPHエンフェーズ$25.86+3.48%−17.51%−19.31%
RUNサンラン$7.59+2.29%−1.43%−58.75%
SEDGソーラーエッジ$30.53+3.54%−7.30%+5.84%
電池・素材
ALBアルベマール$93.27−3.81%+0.79%−34.06%
QSクアンタムスケープ$4.20−0.94%+1.20%−59.69%
充電
CHPTチャージポイント$9.27+0.54%+12.91%+39.61%

* スペースXは2026年6月12日上場のため、年初来は公開価格135ドル(約2万1,300円)からの騰落率です。† BYDは米国ADRの売買が薄いため、香港上場株(1211 HK)を香港ドルで掲載しています。68.65香港ドルは約1,380円(1ドル=158円、7.85香港ドルで換算)。表の米国株の終値と前日比はYahoo FinanceとCNBCで完全一致。BYDはCNBCも同じ68.65香港ドルですが前日比を「変わらず」と表示しているため、前日比−2.55%はYahooの前日終値70.45香港ドル(約1,420円、前回の株価ウォッチで掲載した終値と同じ)を基準にしています。表の米ドル建て株価は1ドル=158円換算で、100ドル≒1万5,800円が目安です。

東京コーナー

東京はアルファベットの時間外急落をほとんど気にしませんでした。日経平均は705.28円(1.10%)高の6万4659.47円、TOPIXは0.29%高の4003.28です(株探)。リストで主役を張ったのはアドバンテストで、6.01%高の3万7,030円。AI半導体向けテスターの需要が想定以上に強いとして、通期の営業利益予想を8,460億円から9,670億円に引き上げ、自社株買いも発表しました(Investing.com日本版、日本経済新聞)。これで年初来+88.59%となり、+82.01%のパナソニックHDを抜いて東京リストの首位に。東京エレクトロンも自社決算の前日に2.35%高の1万35円と、1万円台に乗せて引けました。

逆風だったのはルネサスエレクトロニクスで、4.63%安の2,956.5円。第3四半期の売上高は30.2%増の4,352億円と計画を上回ったものの、第4四半期の利益率が下がる見通しを示しました(Investing.com日本版)。キーエンスは3.57%安の7万6,360円、テスラの電池パートナーのパナソニックHDも2.75%安の3,683円です。

EV部品は好調で、ニデックが3.44%高、デンソーが3.29%高。自動車株もおおむね小じっかりで、SUBARUが1.51%高、日産自動車が1.26%高、三菱自動車が1.06%高、トヨタ自動車は0.85%高の3,077円でした。弱かったのはアイシンの1.88%安。東京23銘柄のうち上昇は11銘柄です。

コード銘柄終値(円)前日比5日間年初来
自動車
7203トヨタ自動車3,077+0.85%−0.23%−8.31%
7267ホンダ1,763+0.03%−1.86%+14.78%
7201日産自動車265.7+1.26%−1.45%−31.89%
7261マツダ1,072−0.14%−1.06%−12.06%
7270SUBARU2,618.5+1.51%−1.04%−22.87%
7269スズキ2,085.5−0.17%+2.21%−10.67%
7211三菱自動車342.6+1.06%−0.72%−7.65%
電池・素材
6752パナソニックHD3,683−2.75%−0.46%+82.01%
6674GSユアサ4,776−0.60%+1.83%+27.36%
5713住友金属鉱山8,524+1.44%+5.31%+34.09%
EV部品
6902デンソー1,868.5+3.29%+0.81%−13.42%
6594ニデック1,865+3.44%+8.75%−12.52%
7259アイシン2,040.5−1.88%−4.76%−30.26%
ロボット・FA
6954ファナック5,795−1.91%+3.04%−4.75%
6506安川電機4,159−0.65%+3.12%−12.55%
6861キーエンス76,360−3.57%−4.98%+34.72%
6324ハーモニック・ドライブ・システムズ5,480−0.90%+12.41%+44.97%
6268ナブテスコ4,384−0.81%+5.23%+16.97%
半導体・AI・テック
8035東京エレクトロン10,035+2.35%+6.19%+46.20%
6857アドバンテスト37,030+6.01%+14.40%+88.59%
6723ルネサスエレクトロニクス2,956.5−4.63%+1.28%+38.15%
6758ソニーグループ3,936−0.53%−3.55%−2.19%
9984ソフトバンクグループ4,765+1.77%+10.69%+8.30%

東京市場は2026年10月29日(木)の終値(午後3時30分)。執筆時点で取引を終えた最新の東京の取引日です。5日間は10月22日終値、年初来は2025年の最終売買日である12月30日の終値との比較です。

今後の注目点

  • 10月30日(金):東京エレクトロンの決算(日本経済新聞)と、2日間の日銀金融政策決定会合の結果発表(日本銀行)。テスラによるNHTSAのサイバーキャブ調査への回答期限もこの日です(Not a Tesla App)。東京はナスダックの1.38%安も消化することになります。
  • 11月1日(日):米国が冬時間へ。11月2日(月)からは、米国市場の取引開始が日本時間午後11時30分、東部時間午後4時の引けが日本時間午前6時になります。中国のEVメーカーは例年1日前後に10月の納車台数を出すので、NIO、小鵬、理想の成績表も月曜の取引前にそろいそうです。

EVX Newsのひとこと

アルファベットからは1日で約5,000億ドル(約79兆円)が出ていき、「値動きが荒すぎる」と言われがちなテスラは1ドルも下げませんでした。悪くない一日です。テスラはこの3日間、400ドル前後をのんびり周回中。上昇のあとならむしろ理想的な退屈さです。EV・自動運転株にとっての本当の論点は、AI投資の二日酔いがアルファベットだけで済むのか、それとも広がるのか。太平洋のこちら側での最初の答えは、金曜の東京エレクトロンの決算になりそうです。

株価:Yahoo Finance。米国上場の全銘柄をCNBCの株価と照合し(終値・前日比とも完全一致、BYDの前日比は上記のとおりYahooの前日終値基準)、東京はstockanalysis.comと照合しています。東京の終値は日経平均、TOPIX、アドバンテスト、ルネサス、キーエンス、パナソニックHD、東京エレクトロン、ニデック、デンソーについて株探でも抜き取り確認済み。時間外気配:CNBC。指数:CNBC、AP通信、株探。2026年10月29日(木)の終値時点(米国は東部時間午後4時=日本時間30日午前5時、東京・香港は29日の終値)。

投資助言ではありません。株価ウォッチはニュースとエンタメのための記事で、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。投資の判断はご自身で、必要に応じて資格を持つ専門家に相談してください。

出典:CNBC(アルファベット最大の下落)、CNBC(アルファベット決算)、AP通信(アルファベット)、AP通信(主要指数)、Not a Tesla App、Teslarati、Benzinga、Investing.com、Globes、Yahoo Finance、CNBC(GM)、ロイター/Investing.com、Investing.com日本版(アドバンテスト)、日本経済新聞、Investing.com日本版(ルネサス)、日本銀行、株探、前回の株価ウォッチ。アイキャッチ画像:米サンフランシスコの4番街橋を渡るウェイモのジャガーI-PACE。撮影:9yz、Wikimedia Commonsより(CC BY 4.0)、トリミングあり。

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EVX News Desk
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