テスラCybercab、上海・東方明珠塔から進博会へ 金色のOptimusも初の専用ブースに

上海・東方明珠塔の下に置かれたテスラの金色の「Cybercab(サイバーキャブ)」は、この土日が最後の展示です。11月1日に展示を終えたあと、次に向かうのはもっと大きな舞台。第9回中国国際輸入博覧会(CIIE、進博会)で、テスラは臨港展示エリア内に初めて専用ブースを設け、量産版Cybercab、最新世代の金色のOptimus、Robovanをかたどった展示エリアなどを披露します。

テスラ中国は30日(金)、公式微博(ウェイボー)で東方明珠塔での展示をアピールしました。会場は陸家嘴の東方明珠塔城市広場で、期間は10月29日〜11月1日。「この週末が最後の2日間」として、Cybercabとの記念撮影を呼びかけています。31日(土)にはテスラのアジア公式アカウントも同じ光景をXに投稿。上海メディアの澎湃新聞は記者が実際に車内に座ってリポートし、このあとCybercabは第9回進博会に「乗り込む」と伝えました。

投稿:@Tesla_Asia(テスラ・アジア公式)のX

5都市を回って、博覧会へ

東方明珠塔での展示は、テスラ中国が「Cybercab全国巡回展示(静態展示)」と呼ぶツアーの一環です。テスラ中国が微博に載せた日程(TeslaZoaのアカウントが紹介し、Cybercab.Newsが報道)によると、Cybercabはこれまでに蘇州の万象城、深圳の壹方城(10月16〜25日)、寧波の龍湖系商業施設(10月22〜27日)を回りました。上海の展示期間は最後の都市・成都と重なっていて、成都の太古里には10月30日〜11月8日にCybercabが置かれます。中国でのツアーは9月、上海の興業太古匯でスタートしていました。

あくまでお披露目で、発売ではありません。見ることはできても乗ることはできず、テスラ中国はツアーを静態展示と位置づけています。テスラの動向を追うTeslas.R.Usによると、テスラ中国は今のところ中国でCybercabを販売したり、ロボタクシーを運行したりする計画はないとしています。ツアーのポスターによれば、会場ではModel 3やModel Yの試乗、FSD(Supervised)の紹介もあります。

テスラが進博会に持ち込むもの

第9回進博会は11月5〜10日、地元で「四つ葉のクローバー(四叶草)」と呼ばれる国家会展中心(上海)で開かれます。中国証券報や、進博会の公式サイトに転載された上観新聞の記事によると、テスラのブースは3号館東側の臨港新片区の展示エリア内。面積2,700平方メートルで、今回の進博会で最大の単一展示エリアです。

テスラが臨港の展示エリアに専用ブースを持つのは今回が初めて。上海ギガファクトリーは臨港新片区の看板プロジェクトなので、自然な流れといえます。主催者側が挙げる展示品は次のとおりです。

  • 量産版Cybercab
  • 発表されたばかりのModel Y高性能版
  • 最新世代の金色の人型ロボット「Optimus」
  • 蓄電システム「Megablock」の中核部品と家庭用蓄電池「Powerwall」
  • テスラの無人多目的車「Robovan」をかたどった特別展示エリア

主催者によると、Optimusは工場作業や荷物運び、さらには犬の散歩といった場面を実演します。上観新聞の記事は、テスラの世界累計EV生産台数が7月に1,000万台を突破し、上海ギガファクトリーが世界の納車台数の半分近くを担っているとも紹介しています。展示の狙いはそこにあります。上海はテスラが中国でクルマを売る場所であるだけでなく、世界中のテスラの大きな割合を生み出す場所なのです。

Optimusはこの週末、別の話題でもニュースになりました。一般向けのOptimus予約が12月に始まるという報道に、イーロン・マスク氏が「No」と答えた件です。

EVXの視点

日本でも同じクルマがこの秋に公開されましたが、扱いはずっと控えめでした。Tesla Japanは9月11〜28日、東京・大阪・名古屋の4会場で「Cybercab Japan Tour」を開催。柵越しの展示で乗車はできず、Touch Labによれば日本でのロボタクシーサービスの開始時期は未定とされていました。中国では2か月・5都市のロードショーに加え、国を挙げた博覧会の枠でOptimusやRobovanまでそろえます。テスラがどこで近い将来の規模を見込んでいるかが分かります。中国ではすでに地元勢のロボタクシーが複数の都市で有料の乗客を運んでいて、テスラも自動運転の存在感を示し続ける必要がある、という事情もあるでしょう。日本にとって押さえておきたいのは、どちらの国でも静態展示だけで、乗れる日程は出ていないという点です。テスラがどちらの市場で先に「見る」から「乗る」へ進むにしても、それを決めるのは展示会ではありません。

進博会の開幕は11月5日(木)。蘇州や深圳と同じように、上海でもハンドルのないクルマの周りに何重もの人だかりができそうです。

出典:テスラ中国 公式微博(新浪経由)、テスラ・アジア公式のX投稿、澎湃新聞、中国証券報、進博会公式サイト(上観新聞)、進博会のお知らせ、Cybercab.News、Tesla Japan(PR TIMES)、Touch Lab。

— EVX News編集部

アイキャッチ画像:バタフライドアを開いて展示された金色のテスラCybercab(ベルリンのショッピングモール「Mall of Berlin」、2024年12月)。写真:Avda / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0、トリミングあり)。

Related articles

「12月にOptimus予約開始」報道にマスク氏が「No」 確かなのはV3披露と2027年末の企業向け納入

テスラが12月上旬の「Humanoids Summit」に合わせて人型ロボットOptimusの一般向け予約を始める、という米紙の報道に、イーロン・マスク氏は「No」。それでもOptimus V3のデモ、2万ドル(約315万円)以上という価格観、企業向け納入は2027年末ごろという線は生きています。

テスラ、Model Yを1日で124台追加 テキサスのロボタクシー登録は1,204台、Waymoまであと55台

テスラがテキサス州の自動運転車登録にModel Yを一度に124台追加し、合計1,204台(Model Y 631台、Cybercab 573台)に。Waymoの1,259台まであと55台です。登録は乗車数ではありませんが、差は急速に縮まっています。

トヨタが作り、Waymoが走らせる 自動運転タクシー仕様のbZ4X、2027年に日本で運行開始へ

トヨタとWaymoが、Waymoの自動運転タクシーに使うトヨタbZ4Xの初期運行を2027年に日本で始めると発表。車両は高岡工場で組み立てからWaymoのハードウェア搭載まで一貫生産し、その後は英国などにも広げます。台数や都市はまだ非公表です。

スターリンク、家庭向けプランに「変動料金」を導入 地域によって最大20%の値上げ・値下げ

スペースXがスターリンクの家庭向けResidentialプランを、地域ごとにおおむね四半期ごと見直す料金体系に移行。ミズーリ州ローラではMaxが156ドル(約2万4,600円)に上がり、カンザス州では104ドルに下がります。新料金はどれも定価のプラスマイナス10%か20%です。

テスラ中国、Model 3/Model Yの頭金を半額の3万9,900元に 5年金利0%の新プラン

テスラ中国が新プラン「特从容」を開始し、Model 3とModel Yの5年金利0%ローンの最低頭金を従来の半分の3万9,900元(約94万円)に引き下げました。11月30日までの注文が対象。検算すると金利0%は本物ですが、一部の現金特典は縮小しています。
EVX News Desk
EVX News Deskhttps://evxnews.com
EVX News Deskは、日本を拠点とする独立系ニュースサイトEVX Newsの編集部です。テスラ、スペースX、スターリンク、xAI、AI、ロボティクス、そしてEV業界全体を日本語と英語でお届けしています。特に力を入れているのは日本と中国。日本市場と国内自動車メーカー、日本の充電インフラや政策、そしてBYDをはじめとする中国EVメーカーの動きを追い、毎週「日本・中国EVウィーク」としてまとめています。速さよりも正確さを重視し、すべての記事は公開前に複数の信頼できる情報源で確認し、可能な限り一次情報へのリンクを掲載しています。記事は編集方針に基づき、創設者・編集長のレスター・ミヤシロ(Lester Miyashiro)が監修しています。誤りにお気づきの際は、お問い合わせページからお知らせください。内容を確認のうえ、速やかに訂正します。

Leave A Reply

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください