「12月にOptimus予約開始」報道にマスク氏が「No」 確かなのはV3披露と2027年末の企業向け納入

テスラが人型ロボット「Optimus(オプティマス)」の一般向け予約を12月上旬に始める、という報道に、イーロン・マスク氏が水を差しました。Xで「Optimusの注文受付は12月に始まるの?」と聞かれ、返したのはたった一言、「No」です。

報道の出どころはサンフランシスコ・スタンダード紙で、米太平洋時間10月30日(金)の昼に掲載されました。ALMベンチャーズのロボティクス投資家、モダール・アラウイ氏の話として、テスラが初めて一般消費者をOptimusの予約リストに載せる計画で、時期はアラウイ氏が主催するカリフォルニア州サンマテオの「Humanoids Summit」(12月1〜2日)か、その直後に合わせると伝えていました。

この記事をロバート・スコーブル氏が引用し、「12月に注文開始?」と投稿(ついでに@Botのアカウントに「見張っておいて、1台注文しておいて」とジョークも)。TeslaNorthによると、マスク氏がその投稿に返信したのは日本時間31日(土)午前7時8分/米東部時間30日午後6時8分(太平洋時間同日午後3時8分)。スタンダード紙はその後、マスク氏が「12月の予約リストの計画を否定したようだ」と記事を更新しています。テスラは同紙のコメント要請に応じていません。

投稿:@elonmusk(イーロン・マスク氏)のX

報道の中身

日付の部分を除いても、スタンダード紙の記事には役に立つ情報があります。いずれもアラウイ氏の話です。Optimusの大半は企業向けに販売され、一般消費者向けはごく一部。最初に出荷されるのは「Optimus V3」で、旧世代は主に試作機だったからだといいます。価格は2万ドル(約315万円)以上を見込んでおき、出荷はおそらくさらに1年ほど先。予約に手付金が必要かどうかは分かっていません。

提携の話は裏が取れます。Humanoids Summitの公式サイトには「テスラと提携してOptimusを迎える」とあり、アラウイ氏はスタンダード紙に、テスラがOptimus V3のデモを行い、自動運転車も展示する予定だと話しています。12月上旬にサンマテオでOptimusが登場するのは、まず確実と見てよさそうです。マスク氏が否定したのは、同じ週に予約ページが開くという部分です。

一つ注意点も。スコーブル氏の投稿は、まじめな質問と「ボットにロボットを注文させる」というジョークが混ざっていました。TeslaNorthは、マスク氏の「No」はあくまでその投稿への返信で、注文開始時期についての正式な説明ではないと見ています。もっともな読み方です。マスク氏は本当の時期を言っていませんし、テスラは注文ページも一般向けの発売日もどこにも出していません。

テスラが公式に語っていること

公式のスケジュールは、12月の予約開始ほど派手ではありません。ただ、たぶんそちらのほうが正直です。10月の決算説明会でマスク氏は、OptimusにはAI、電気機械設計、稼働時間の面でまだ課題があると説明。「これらの課題は来年末ごろに解決すると見ている。テスラ以外の企業にOptimusを納入し始めるのは、そのころだと考えてほしい」と話しました。対象は企業で、家庭ではありません。

とはいえ生産は始まっています。TeslaNorthによると、テスラの第3四半期決算資料では、量産品質のOptimusがフリーモントの大量生産ラインから出始めたとされ、ヴァイバブ・タネジャCFOは、オースティンでさらに大きなOptimus工場を建設中だと説明しました。スタンダード紙は、フリーモントのラインが2027年末ごろまでに週2万台のペースに達する見込みとも伝えています。テスラは1月、Model SとModel Xの生産終了と、その工場スペースをOptimusの生産用に転換することを発表していました。

この業界の予約リストは、まだあまり当てになりません。スタンダード紙によると、1Xは2万ドル(約315万円)のロボットの予約を昨年始めましたが、まだ1台も納車していません。テスラ自身のRoadsterの予約リストも、もうすぐ10年になります。

EVXの視点

12月という日付は消えましたが、大きな流れは変わっていません。テスラはOptimusを量産し、まず企業に売る。そして日本にとって一番関係があるのは、まさにこの企業向けです。日本の製造業や物流は人手不足が深刻で、川崎重工の「Kaleido(カレイド)」から、1,000台超のロボット導入を掲げるKDDIの300億円規模の新会社「ELYZA Robotics」まで、国内勢もすでに人型ロボットへの備えを始めています。テスラは日本でのOptimus販売について何も語っていません。アジアで一番近い披露の場は来週で、中国証券報や中国国際輸入博覧会(CIIE)の公式サイトに転載された出展紹介によると、テスラは上海で11月5〜10日に開かれるCIIEの専用エリアに、最新世代の金色のOptimusを持ち込みます。日本の企業ユーザーにとって大事なのは、マスク氏自身が示した日付、つまり「テスラ以外の企業への納入は2027年末ごろ」のほうです。

注目は12月1日のサンマテオ。Optimus V3が登場して、それでも誰も予約できなかったら、マスク氏の一言は正しかったことになります。

出典:イーロン・マスク氏のX投稿、ロバート・スコーブル氏のX投稿、サンフランシスコ・スタンダード、TeslaNorth、Humanoids Summit、中国証券報、CIIE。

— EVX News編集部

アイキャッチ画像:米ロサンゼルスのウェストフィールド・センチュリーシティにあるテスラ店舗に展示されたTesla Bot(Optimus)、2024年9月。写真:Alexis Doine / Wikimedia Commons(CC0、トリミングあり)。

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EVX News Desk
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