テスラ、10月のドイツ登録が約4倍 スペインも271%増、でもイギリスは「お休み」で45%減

テスラの10月のドイツ新車登録は2,932台で、前年同月比290.9%増。ドイツ連邦自動車庁(KBA)が発表しました。スペインは271%増、ポルトガルは186%増、イタリアは94%増、フランスは35%増。ところがイギリスだけは逆方向で、わずか282台(44.8%減)でした。

復活なのか、失速なのか。答えはだいたい「カレンダーのせい」です。10月は四半期の1カ月目。テスラの欧州納車は、ベルリンや上海からの船が着いて納車センターがフル回転する3カ月目に集中します。しかも2025年10月はテスラにとって欧州で最悪クラスの月だったので、伸び率がやたら大きく見えるわけです。

ドイツ:伸び率は大きく、シェアは小さく

KBAの10月の発表によると、テスラのドイツ市場シェアは1.2%。直前の9月は1万2,552台を登録し、モデルYが国内で一番売れたクルマになっていたとDrive Tesla Canadaが伝えています。10月がその数分の1になるのは最初から見えていました。

大事なのは年初からの累計です。1〜10月のテスラのドイツ登録は4万7,742台で206.1%増、シェアは1.9%。2025年はドイツで苦しい1年でしたが、2026年はおよそ3倍になりました。

ただし、おなじみの「でも」があります。BYDは10月にドイツで5,173台(シェア2.0%)、零跑(Leapmotor)は288.6%増の3,661台。累計ではBYDが4万7,961台で、テスラとの差はわずか219台です(Teslarati、TeslaNorth)。年間でどちらが上に立つかは、12月の追い込み次第。なお、BYDの数字にはPHVが含まれ、テスラは全部が電気自動車です。

ドイツのEV市場そのものも1年前とは別物です。10月のBEV登録は9万4,086台で79.5%増。新車25万4,492台の37.0%を占めました。

フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア

ここまで発表された国の中で、テスラの10月最大の市場はフランス。EV(eletric-vehicles.com)が伝えた数字では2,410台で、前年の1,782台から35.2%増です。ちなみに9月は9,038台でした。フランス市場全体は7%増の14万9,341台、BEV比率は41.5%。モデルYは6.2%増の1,748台でしたが、EVランキングでは8位に後退し、首位はルノーの新型トゥインゴ。BYDは5,419台で、テスラの2倍以上です。テスラのフランス累計は117.1%増の4万7,609台になりました。

スペインでは自動車工業会ANFACの集計で1,459台、前年のわずか393台から271.2%増。モデル3は1,150台で国内で一番売れたEVに。一方でBYDはEVとPHVを合わせて5,306台を登録し、全ブランドで5位に入っています。

ポルトガルはACAPの集計で412台(186.1%増)、1〜10月は9,673台(62.5%増)だったとCapmadが報じました。イタリアは運輸省のデータでテスラが94%増だったとGasgoo(蓋世汽車)が伝えています。

大陸側で弱かったのはオランダ。テスラは約340台で、2025年10月の645台からほぼ半減しました。市場全体ではEV比率が過去最高の55.2%に達しているのに、です。

イギリスは「お休みの月」

いちばん寂しかったのは英国自動車工業会(SMMT)の数字です。テスラの10月登録は282台で、前年の511台から減少、シェアは0.2%。9月はモデルYとモデル3がEV販売の1位・2位だったのに、10月はどちらもトップ10圏外。首位はシュコダ・エンヤックの1,568台でした(Carwow)。

英国市場は5.4%増の15万2,730台で、BEVは32.7%増の4万8,858台、シェア32.0%と今年最高。BYDは73.3%増の6,065台でした。それでも年初からの累計では、テスラが英国EV市場の約9.5%を握ってトップだと業界団体New Automotiveは集計しています。崩れたというより、船と船のすき間に落ちた月と見たほうがよさそうです。

だからこそ、この数字は片目で12月を見ながら読むのが正解です。2026年は「1カ月目が薄く、3カ月目にドカン」のパターンが続いていて、9月のドイツ、フランス、イギリスがまさにそれでした。ノルウェー、スウェーデン、デンマークの10月分はすでに出ていて(ノルウェーの記事はこちら)、テスラのノルウェー過去最高の10月も、大半は月末の6日間で積み上がったものでした。

EVXの視点

この表をいちばん真剣に見るべきなのは日本メーカーかもしれません。10月の英国ではトヨタが8.1%減の6,190台、日産が9.1%減、マツダが30.6%減。その横でBYDは73.3%増、奇瑞(Chery)傘下のJaecooは2倍以上に伸びました。テスラの落ち込みは輸送のタイミングの問題ですが、日本勢は欧州で毎月じわじわと中国勢に場所を譲っています。日本市場については、金曜日に日本自動車輸入組合(JAIA)が10月の輸入車データを発表し、テスラの数字も出てきます。日本向けのモデルYはベルリンではなく上海製なので乗ってくる船は違いますが、四半期末に山が来るリズムはたいてい日本でも同じです。欧州のオーナーにとっては規制面の動きも続いていて、オランダのRDWは12月のEU採決を前にテスラの運転支援の変更を承認したばかり。またテスラ中国の10月出荷は6万7,829台で、その多くが輸出向けでした。

出典:ドイツ連邦自動車庁(KBA)プレスリリース44/2026、SMMT 2026年10月新車登録、Drive Tesla Canada、Teslarati、TeslaNorth、EV(eletric-vehicles.com)(ANFAC、AAA Data/Auto Infos、PFA、BOVAG、RAI Vereniging のデータ)、Gasgoo、Capmad(ACAPデータ)、Carwow、New Automotive(Euronext経由)。各国の集計は締め日が異なり、修正される場合があります。

— EVX News 編集部

アイキャッチ画像:白の2026年型テスラ・モデルY Premium(改良型)、2026年5月5日撮影。写真:M 93/Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0 DE、トリミング・リサイズあり)

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EVX News Desk
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