10月、日本の登録車BEVは1万2,733台。テスラの上海工場は6万7,829台を出荷し、中国の新エネルギー車の卸売は過去最高の約181万台に達した一方、国内の小売は減りました。東京では、ハンドルのないタクシーを認証する準備も進んでいます。今週のEVX Newsを、8本のニュースと1つの数字で振り返ります。
先週のニュースを読み逃した人は、ここで一気に追いつけます。各項目のリンク先に、出典つきの本記事があります。
1. 日本の10月BEV、前年の約3倍は維持
日本自動車販売協会連合会(自販連)の集計では、10月の登録車(軽を除く)のバッテリーEVは1万2,733台で、乗用車21万6,757台の5.9%を占めました。9月の1万3,440台からは一段落ですが、前年10月の約3.3倍です。トヨタが4,108台(うちbZ4Xが3,142台)で首位、ホンダの新型スーパーワンが2,208台、日産リーフが1,227台。輸入車の「その他」(テスラの代理指標)は2,162台、BYDの軽EV「RACCO(ラッコ)」は607台でブランド過去最高でした。軽の車名別確報はまだ出ていないので、全体合計は作っていません。10月の販売データをメーカー別に見る。
2. テスラ中国、6万7,829台 四半期初月らしい落ち込み
乗用車市場信息聯席会(乗聯会)の速報では、ギガ上海の卸売は前年同月比10.3%増、9月の9万5,366台からは28.9%減でした。2月以来の低水準で、前年超えは12カ月連続。1〜10月の累計は81万889台で21.4%増です。今回の速報は国内販売と輸出を分けていません。四半期明けの10月は例年弱い月で、頭金を3万9,900元(約95万円)に下げたキャンペーンも、この数字にはほとんど間に合っていません。数字の内訳と、月次の落ち込みが見た目ほど怖くない理由。
3. 中国の工場は過去最高、店頭はそうでもない
10月のNEV卸売は180万7,000台で過去最高、前年比12%増。小売は114万8,000台で前年比10%減と、前年割れは10カ月連続です。工場を出た台数と国内で売れた台数の差は約65万9,000台。輸出分と、ディーラーに残った在庫が混ざっています。それでも小売に占めるプラグイン車の比率は67.8%と過去最高で、理由はガソリン車の落ち込みのほうが大きいからです。純エンジンの小型車生産は、月の最初の4週間で52%減りました。卸売と小売のギャップを詳しく見る。
4. BYDは2026年ベストの月、新興勢は明暗が分かれる
BYDの10月販売は49万168台。バッテリーEVの乗用車は30万5,743台と、初めて30万台を超えました。けん引役は輸出の17万194台で、前年同月の2倍以上です。国内販売は31万9,974台で、前年同月から10.57%減。零跑(リープモーター)は10万6,127台でまた記録を更新し、小鵬(シャオペン)と小米(シャオミ)はそれぞれ5万台を超えました。小鵬の海外納車は過去最高の1万3,326台。一方、蔚来(NIO)は3万4,246台、理想(Li Auto)は2万9,025台と、どちらも前年を下回りました。ブランド別のスコアボードはこちら。
5. 日本、ハンドルのないタクシーを12月から認証へ
日経新聞によると、国土交通省はハンドルもブレーキペダルもない自動運転車を、1台ずつの特例ではなく共通の基準で認証する方向です。対象はレベル4とレベル5で、12月から適用する見通し。狙いは量産で、2030年度までにレベル4対応のバスやタクシーなどを約1万台にする目標への道筋でもあります。改定そのものは国交省が発表していないので、時期の情報源は日経です。何が変わり、なぜ12月なのか。
6. Zoox、海外試験の候補に日本を挙げる
アマゾン傘下のZooxは、データ収集車両を欧州とアジアに送り出す計画です。CEOのアイシャ・エバンス氏は11月4日のWSJ Tech Liveで、ロンドンやほかのEU都市に加えて日本と韓国を候補に挙げました。時期も都市名も公表されていません。最初のステップは、有名なトースター型ロボタクシーではなく、安全運転者が乗るセンサー付きトヨタ・ハイランダーで道路を地図化することです。日本の路上にそのSUVが現れるまでは、意向表明とみてよいでしょう。エバンス氏の発言と、実現の見極め方。
7. トヨタ、中国製EV 12万1,260台をリコール
広汽トヨタは、フロントサスペンションのナットが緩む恐れがあるとしてbZ3Xを10万175台、Comfort Stopの作動で停止距離が伸びることがあるbZ7を1万8,130台、カメラのソフト更新でステアリングが不意に切れる可能性があるbZ7をさらに2,955台、リコールします。セダン側の2件は無償のソフト更新です。同じ日に、燃料配管コネクターの不具合でランドクルーザープラドとレクサスGX 550hハイブリッド計5万5,477台も対象になり、中国での合計は17万6,737台になりました。bZ3XもbZ7も、日本では売られていません。規制当局の届け出から見た3件のEVリコール。
8. 中国製バッテリー、中国以外でも過半数に
韓国SNEリサーチによると、1〜9月に中国以外で使われたEV・プラグインハイブリッド・ハイブリッド用バッテリーのうち、中国メーカー6社のシェアは56.4%。前年同期の43.1%から大きく伸び、CATLとBYDの2社だけで44.5%を占めました。トップ10で唯一の日本勢であるパナソニックは、10.5%から8.4%へ低下。搭載量は35.6GWhとほぼ横ばいで、市場全体が約4分の1伸びるなか出遅れています。誰が伸び、誰が削られ、パナソニックに何が起きているか。
今週の数字:1万2,733台
10月に日本で登録されたバッテリーEV乗用車の台数です。シェアは5.9%。9月の1万3,440台からは落ち着いたものの、前年同月の約3.3倍は維持しています。このうち半分以上を、トヨタとホンダが占めました。10月の日本EV販売レポートはこちら。
EVXの視点
今週の日本と中国は、別の話をしつつ、つながってもいます。日本のEV販売は過去最高だった9月から一段落しましたが、1年前とは別次元の水準で、登録車の過半をトヨタとホンダが担うようになりました。一方、中国の工場は過去最高を出荷し、国内の買い手は慎重です。余ったクルマが海外に向かう構図で、日本もその行き先のひとつです。BYDのラッコが軽で過去最高を更新したのも、その流れです。テスラ中国の10月は四半期初月らしい動きで、日本向けのModel 3とModel Yは今もその上海工場から来ます。自動運転では、ハンドルのないクルマの認証ルールを日本が整えようとしている同じ週に、別の世界的なロボタクシー企業が日本を候補に挙げました。買い手から見れば、選択肢は着実に増えています。次の焦点は、補助金の前提が変わったあともこのペースが続くかどうかです。
来週は、テスラ中国の10月国内販売と輸出の内訳と、日本の軽EVの車名別確報を待ちます。
このダイジェストは、EVX Newsが2026年11月1日から11月8日までに掲載した、日本・中国に関連する記事をまとめたものです。各項目の出典はリンク先の記事に記載しています。
— EVX News 編集部
アイキャッチ画像:日本の販売店に並ぶホンダ・スーパーワン(2026年5月)。写真:Tokumeigakarinoaoshima(Wikimedia Commons、CC0、トリミングあり)
