中国以外のEV電池、半分以上が「中国製」に CATLとBYDで44.5%、パナソニックは8.4%に後退

今年、中国以外で売れたEVに載った電池の半分以上が中国メーカー製でした。韓国の調査会社SNEリサーチが11月4日に発表した1〜9月のデータによると、中国を除く市場で中国系6社のシェアは合計56.4%。前年同期の43.1%から大きく伸び、CATLとBYDの2社だけで44.5%を握りました。

市場そのものも伸び盛りです。中国以外で販売されたEV・PHV・HVに使われた電池は約426.7GWhで24.7%増。世界全体の19.7%増を上回りました。けん引役は欧州とアジアで、北米は縮小しています。

伸びた会社、落ちた会社

SNEの中国以外トップ10は以下のとおり。界面新聞、CnEVPost、CarNewsChinaも同じ数字を伝えています。

  • CATL:143.7GWh(46.7%増)、シェア33.7%(前年28.6%)
  • LGエナジーソリューション:69.8GWh(4.9%減)、シェア16.4%(同21.5%)
  • BYD:45.9GWh(66.8%増)、シェア10.8%(同8.0%)
  • パナソニック:35.6GWh(0.8%減)、シェア8.4%(同10.5%)
  • SKオン:28.2GWh(17.9%減)、シェア6.6%
  • 国軒高科(Gotion):17.6GWh(153.8%増)、シェア4.1%
  • サムスンSDI:15.0GWh(34.4%減)、シェア3.5%
  • 蜂巣能源(SVOLT):13.1GWh(102.3%増)、シェア3.1%
  • 中創新航(CALB):10.6GWh(88.5%増)、シェア2.5%
  • 億緯リチウム(EVE Energy):9.5GWh(214.6%増)、シェア2.2%

CATLの伸びはほぼ欧州の話です。欧州での使用量は35.4%増の96.8GWh、中国以外のアジアでは2倍以上の27.1GWhに。ハンガリー・デブレツェン工場は9月22日に最初の2ラインで試験生産を始めていて、SNEはメルセデス・ベンツやBMWなど欧州の顧客への現地供給が強まると見ています。ドイツのテューリンゲン州では、アイキャッチ写真の工場ですでにセルを生産中です。

BYDは少し毛色の違う電池メーカー。電池の大半は自社のクルマに積むので、中国以外でのシェアは「海外でBYD車がどれだけ売れたか」とほぼイコールです。使用量は欧州で68.8%増、アジアで41.0%増、南米では135.7%増。界面新聞はBYDの月次速報をもとに、同社の10月のNEV輸出が約17万台で前年の2倍以上だったと伝えています(今週のドイツでも、年間累計でBYDがテスラをわずかにリードしていました)。

韓国3社は北米で失速

LGエナジーソリューション、SKオン、サムスンSDIの韓国3社は合計113.0GWhで13.5%減、シェアは38.2%から26.5%に下がりました。落ち込みのほぼすべては北米で、EV需要の冷え込みにより3社の北米での使用量は56.1GWhから28.1GWhへとほぼ半減。欧州とアジアではむしろ伸びています。SNEによると3社とも蓄電池(ESS)へのシフトを進めていて、LGの北米ESSラインは第3四半期に稼働率約90%、SKオンはジョージア工場の一部を蓄電用LFPに転換中、サムスンSDIは10月にStarPlus Energy工場で蓄電用LFPセルの量産を始めました。

電池の種類も同じ方向に動いています。中国勢が得意なリン酸鉄リチウム(LFP)は、中国以外の市場で15.8%から27.7%に、世界全体では57.7%に拡大したと、界面新聞が同じSNEのデータから報じています。

EVXの視点

トップ10に入った日本企業はパナソニックだけ。そして数字を見ると、1社への依存ぶりがよくわかります。市場が4分の1伸びる中で使用量はほぼ横ばい。SNEはテスラの北米販売が支えになったとしています。CnEVPostが読み解いた世界ランキングでは、パナソニックの35.6GWhのうち34.9GWhが北米のテスラ車向け。テスラが米国で伸びれば追い風、伸びなければ向かい風、というわかりやすい構図です。SNEが挙げる今後の注目点は、パナソニックの次世代円筒形セルの量産と、カンザス工場の一部ラインのデータセンター向け転換。欧州は日本勢にとってさらに入り込みにくくなりそうで、CATLはドイツとハンガリーで現地生産を進め、2027年2月に始まるEUの「バッテリーパスポート」は素材の出どころを証明できるメーカーほど有利になるとSNEは指摘しています。世界全体ではパナソニックはすでに7位で、億緯リチウムに抜かれました。BYDの販売台数とこの数字のつながりは、10月の中国EVスコアボードもあわせてどうぞ。

出典:SNEリサーチ プレスリリース(2026年11月4日)、界面新聞、CnEVPost(中国以外ランキング)、CnEVPost(世界ランキング)、CarNewsChina、電池網(ITDCW)、ヘラルド経済

— EVX News 編集部

アイキャッチ画像:ドイツ・テューリンゲン州アルンシュタットのCATL工場(Contemporary Amperex Technology Thuringia GmbH)、2020年4月撮影。写真:Giorno2/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0、トリミング・リサイズあり)

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