中国のNEV小売、10月1〜25日は13%減 卸売は増えて在庫がじわり

中国の「金九銀十」(9月・10月の書き入れ時)が、今年はなかなか盛り上がりません。中国乗用車協会(CPCA、乗聯会)が10月28日に発表したデータによると、10月1〜25日の新エネルギー乗用車(NEV、EVとプラグインハイブリッド)の小売販売は75万3,000台で、前年同期比13%減、9月の同期間と比べても1%減でした。

もっと暗いのは市場全体です。同じ25日間の乗用車小売は114万5,000台で、前年同期比26%減、9月同期とは横ばい。ガソリン車の落ち込みがプラグイン車よりずっと大きいので、小売に占めるNEVの比率(浸透率)は65.7%を保ちました。CnEVPostによると、10月1〜18日の65.9%からわずかに下がり、9月の過去最高67.0%も下回っています。

10月1〜25日の成績表

  • NEV小売:75万3,000台(前年同期比13%減、9月同期比1%減)
  • NEV小売・年初来累計:851万1,000台(13%減)
  • NEV卸売:100万8,000台(前年同期比3%増、9月同期比6%増)
  • NEV卸売・年初来累計:1,245万8,000台(9%増)
  • NEV浸透率:小売65.7%、卸売72.9%
  • 乗用車全体の小売:114万5,000台(26%減)、年初来1,447万9,000台(22%減)
  • 乗用車全体の卸売:138万4,000台(22%減)

NEVの数字は、CPCAの週報を転載したMysteel(我的鋼鉄網)、第一財経、新浪財経、CnEVPostのいずれでも一致しています。

卸売は増えて、小売は減る

ポイントはこの2本の線のズレです。メーカーは25日間でディーラーに約100万台を出荷して3%増。でも実際にお客さんが乗って帰ったのは約75万台。理由についてCPCAはかなり率直で、「多くのNEVブランドにはいま売れ筋の車種がない。それでもメーカーはサプライチェーンを回し、販売目標を達成するために生産ペースを維持しなければならない」と説明しています。その結果が在庫です。NEV専業メーカーの在庫は9月末で88万台と、8月末から3万台増加。CPCAはメーカーと販売店の在庫圧力が「かなり大きい」としています。

追い風になったのは、国慶節のモーターショー、地方の補助金、各社の秋の販促で、10月はそこそこ持ち直したとのこと。1日あたりの小売は10月19〜25日の週が約5万1,000台で、前週の約4万7,000台から増えました。向かい風のほうが興味深くて、世界的な原油高で車の維持費が上がり、ガソリン車の需要が想定以上に落ち込んでいます。CPCAの週報によると、10月第1〜4週のガソリン専用の小型車の生産は前年同期比52%減。燃料が高くなっても、そのぶんEVに乗り換える人が、初めて車を買う層の落ち込みを埋めるほどには増えていない、ということです。

コスト面ではプラス材料も。CPCAは炭酸リチウム価格の大幅な下落で電池コストが下がりやすくなっていると指摘。さらに、輸出増値税還付の見直しや来年の貿易規制強化を見越して、NEVの輸出を第4四半期に前倒しする動きが出る可能性があるとしています。

10月はどこに着地する?

CPCAが10月23日に出した予測では、10月のNEV小売は約107万台で前年同月比16.5%減、浸透率は66.9%。乗用車全体の小売は約160万台で28.9%減の見通しです。NEV小売は9月が16.7%減で9カ月連続のマイナス。10月もプラスに戻らなければ10カ月連続になります。

テスラにとっては、9月のデータは市場の空気より明るいものでした。9月はモデルYが中国でいちばん売れたクルマになり、プラグイン比率は過去最高の67%。ギガ上海も輸出急増で今年いちばんの月でした。一方のBYDは昔ながらの値段勝負で、今週発売の第3世代「秦PLUS DM-i」はディーラー情報を下回る価格でスタートしています。テスラ中国の数字を含むCPCAの10月確定値は、11月上旬に出る予定です。

出典:中国乗用車協会(CPCA)週報(Mysteel転載)、第一財経、新浪財経、CnEVPost。

— EVX News編集部

アイキャッチ画像:深圳のショッピングモール内のBYDショールームに並ぶ「漢EV」(2023年撮影)。写真:EEYAUT Waihung / Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0(トリミングあり)。

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