ギガベルリンが過去最高の1週間を記録しました。ベルリン郊外グリューンハイデにあるテスラの工場が、1週間でモデルYを7,000台生産。しかも稼働は平日だけの24時間体制です。
発表したのはテスラの製造部門の公式アカウントで、10月24日(土)午前6時33分(日本時間)/米東部時間23日午後5時33分の投稿でした。
工場長のアンドレ・ティーリッヒ氏は「チームにとって大きな成果」とたたえ、「仕事はまだ終わっていない!」と付け加えました。Xで「24時間365日動いているのか」と聞かれると、返事は「24/5」の4文字だけ。1稼働日あたり約1,400台の計算になり、このペースが続けば年間およそ36万4,000台になる、とEV(eletric-vehicles.com)は試算しています。
目標まであと500台
ただし記録はゴールではありません。dpa通信によると、経営陣は6月、10月から週7,500台に引き上げ、1,000人を追加採用すると従業員に伝えていました。ティーリッヒ氏は、工場の大部分でサイクルタイムを約80秒から45秒に縮めると説明。それでも9月初めの時点では週6,500台未満だった、とハンデルスブラットが報じ、テスラは9月18日・19日・25日に臨時の特別シフトを組みました。7,000台は確かな前進で、残るは週あと500台です。
伸び方は急です。Drive Tesla Canadaによれば、グリューンハイデが週5,000台に初めて届いたのは2023年3月、6,000台は2024年初め。ティーリッヒ氏は今年6月の時点でも「週およそ5,000台」を「サプライチェーンから絞り出せる上限」と話していました。テスラは第3四半期の株主向け資料で「ギガファクトリー・ベルリンで過去最高の生産を達成した」と書き、ベルリンの設備能力を年37万5,000台超としています(資料の中身は第3四半期決算の記事で)。
欧州はクルマを待っている
いまの課題は需要ではありません。テスラの欧州での登録台数は9月に72.5%増となり、ドイツだけでも3倍超の1万2,552台と、2022年12月以来の高水準でした。ドイツのEV補助金復活も追い風です。ベルリンが作るのはモデルYだけ(改良型、パフォーマンス、廉価版のモデルY スタンダード)で、カナダや台湾を含む30以上の市場に出荷しています。
2025年とは様変わりです。昨年の生産は約20万2,000台で設備能力の約54%にとどまり、売上高は約71億ユーロ(約1.2兆円)に減っていました。工場はまだ大きくなります。年100万台を見据えた巨大な第2生産棟の計画に加え、2027年前半からはグリューンハイデで4680電池セルの生産も始め、規模は最大で年18GWhを予定しています。
日本から見ると、ここで売られているモデルYは上海製で、ベルリン製ではありません。ティーリッヒ氏自身も6月に「上海のコスト競争力には決して届かない」と率直に認めています。ベルリンの役割は、長い船旅も、中国製EVにかかるEUの追加関税もなしに欧州へクルマを届けること。週7,000台で、ようやくその役目をフル回転でこなし始めました。
出典:Tesla Manufacturing(X)、アンドレ・ティーリッヒ氏(X)、EV(eletric-vehicles.com)、Drive Tesla Canada、TeslaNorth、ハンデルスブラット、dpa(ターゲスシュピーゲル経由)
— EVX News 編集部
アイキャッチ画像:グリューンハイデのギガファクトリー・ベルリン=ブランデンブルク本館前のテスラ・モデルY(2024年9月)。写真:Ot(Wikimedia Commons、CC BY 4.0、トリミングあり)
