ギガベルリンが、次の大きな一手を準備しています。
テスラは12月、いまの工場棟の2倍以上ある第2生産棟の許可を申請する予定。ずっと語られてきた「年100万台」に向けて、いよいよ具体的な一歩です。
計画のざっくりまとめ
最初に報じたのはドイツの公共放送rbb24。Not a Tesla AppとDrive Tesla Canadaも続きました。
- 場所はグリューンハイデの既存工場の北側。
- 広さは約53万6,000㎡。今のメイン棟(21万9,000㎡)の2倍以上です。
- 2026年12月に許可申請、着工は早ければ2027年。
- 全体の完成までは約10年の見込み。
年100万台になれば、テスラ最大の生産拠点ギガ上海と肩を並べる規模になります。
テスラのコメント
テスラは、今回の拡張は何年も前に申請した内容どおりだと説明しています。「テスラは早くも2023年に、一部許可の申請の中でギガファクトリー・ベルリン・ブランデンブルクの段階的な拡張と、それに伴う環境影響を示していた。2024年10月15日の承認通知で、基本的な承認可能性は確認されている。北側の生産棟に向けた一部許可の申請は、その上に立つものだ」
ベルリンの今
- 現在の生産目標はモデルY週7,500台。年に約37万5,000台です。
- 2026年は2回ペースアップ。4月に1,000人を新規採用して生産20%増、今月さらに1,000人を加えて週7,500台へ。
- 累計生産は75万台を突破(今春)。
- 欧州のほか、カナダなど複数の輸出市場向けにモデルYをつくっています。
Drive Tesla Canadaによると、新棟ができる前でも、今の許可枠50万台までは伸ばす余地があります。当初の承認計画では、バッテリーセルの生産能力を年50GWhから100GWhに倍増させることも認められています。
環境への配慮もセットで
ギガベルリンは、森林の伐採や水の使用をめぐって地元の反対を受けてきました。テスラはそれに合わせて計画を見直し、2024年5月には伐採面積を大きく減らした修正案が地元当局に承認されています。今回の拡張には専用の変電所、追加の水リサイクル設備、テスラ独自の排水処理施設も含まれます。Drive Tesla Canadaによると、水の使用量は増えるものの、生活排水が新たに増えることはない見込みです。
中で何をつくる?
マスク氏は、ギガベルリンの「次の主力製品として最も可能性が高い」のはサイバーキャブで、その後にオプティマスが続くかもしれないと語っています。サイバーキャブを近いうちに欧州へ持ってきたい、とも。Not a Tesla Appは、今年の従業員代表委員会選挙で組合が過半数をとれなかった後、テスラ経営陣がベルリンの従業員にした約束を、この拡張が果たす形になるとも指摘しています。
なぜ大事?
欧州は今、EVの追い風の真っただ中です。第3四半期はモデルYが欧州全体でトップを走り、欧州のEV販売も最近過去最高を更新しました。現地でたくさんつくれば、サプライチェーンは短くなり、海を渡るクルマは減り、欧州の雇用は増え、欧州のお客さん向けの製品もつくりやすくなります。年100万台のベルリンは、EUでも指折りのクリーンな製造拠点になるはずです。
EVX Newsの視点
ドイツの許認可を考えれば、10年計画はむしろ現実的。計画は動き出し、許可申請も近く、工場棟はテスラが次につくる製品を見据えたサイズです。テスラで一番リスキーな工場として始まったギガベルリンは、今や一番重要な工場のひとつになりつつあります。
出典:Not a Tesla App、Drive Tesla Canada、rbb24、テスラの声明、@alex_avoigtのX投稿。
— EVX News編集部
アイキャッチ画像:テスラ・ギガファクトリー・ベルリン・ブランデンブルク。撮影:Olivier Cleynen、出典:Wikimedia Commons、ライセンス:CC BY 4.0。
