今日から、ロサンゼルスのピーターセン自動車博物館のロビーに行けば、誰でも新型テスラ・ロードスターの横に立てます。チケット不要、招待状不要、スラスター免許も不要です。さらに、みんなが予習してから行けるように、テスラは34秒の動画を公開しました。ロードスターの運転席から見える画面は、まるで戦闘機のコックピット。そこには「Thruster · 5,500 PSI」というゲージが表示されています。
ロビーに4日間だけ
ピーターセン博物館のロードスター紹介ページによると、展示は現地時間10月24日(土)から27日(火)まで、メインロビーでの「4日間限定」です。そっくりさんではありません。テキサス州マクレガーでの発表会で、イーロン・マスク氏やテスラのチームと一緒にステージに立った、あのロードスターそのもの。博物館は「一般の人が間近で見られる初めての機会」としています。
実用的な情報はDrive Tesla Canadaがまとめています。場所は6060 Wilshire Blvd、開館は毎日、日本時間の翌日午前2時〜午前10時(太平洋時間午前10時〜午後6時)。東京から行くなら、かなり長めのお昼休みが必要です。ロビー展示なので、博物館のチケットはいりません。サイヤー・メリット(Sawyer Merritt)氏も金曜にXで展示を紹介していて、博物館のページには「Roadster Thrust Prototype」という表記があります。後部に冷ガス式スラスターを積んだグレードです。
テスラが見せたコックピット
テスラ公式の動画がこちら。投稿は日本時間24日(土)午前5時32分(米東部時間23日午後4時32分)です。
添えられた言葉は「戦闘機のコックピットに着想を得て、ロードスターのインターフェースはパイロットを中心に設計しました」。ドライバーではなく、パイロット。テスラはこの設定で押し切るつもりのようです。
Teslaratiは動画をコマ送りで分析しています。ホーム画面は黒地に赤のグラフィックで、角ばったヨークの横に車の3Dワイヤーフレームが表示されます。モデルの各部をタップすると、低ドラッグ/高ダウンフォースを切り替えるリアウイングの操作、充電上限バー付きの充電画面、小さな音楽プレーヤーが出てきます。下のタブはHome、Vehicle、Listen、Climate、Navigate。注目はホーム画面の真ん中にあるのが地図ではなく車だという点です。ほかのテスラはどれもナビが主役なのに。
動画の大半はトラックモードです。サーキットのライブマップ、ラップタイム一覧、ブレーキとモーターの温度、タイヤごとの空気圧と温度。セットアップ画面ではAuto、Low Drag、High Downforce、Customのエアロモードに加え、エアロバランスとブレーキバランス、旋回時の安定制御やトラクションコントロールをオフにするスイッチもあります。そして画面下のステータスバーには、「Thruster · 5,500 PSI」と「Boost Ready」のランプが並んでいます。
このゲージは飾りではありません。Not a Tesla Appによると、Thrustグレードの冷ガス式スラスターの推力は80kN(約1万8,000ポンド)超。F-16のエンジンのアフターバーナーなしの出力を上回ります。5秒分の推力をためる高圧タンクの充填には今のところ2〜6時間かかり、テスラは30分ほどに縮めたい考えです。Not a Tesla Appは別に「e-boost」のプッシュ・トゥ・パスボタンも見つけていて、画面の「Boost Ready」がますます約束に見えてきます。
あくまで2028年の車
とはいえ、スケジュールは変わりません。マスク氏は発表会で、ロードスターの生産開始は2028年だと話し、テスラはフラッグシップの「Rocket」は公道走行の認可を得ていないとしています。Teslaratiによると、予約には5万ドル(約784万円)の支払いが必要で、Thrustは限定販売、Rocketは招待制です。テスラのラース・モラヴィ(Lars Moravy)氏は疑う声に対してXで「生産でできないものは見せない」と反論したと、BenzingaがYahoo Financeで報じました。Drive Tesla Canadaも、冷ガス式スラスターは見せるためではなく生産向けに作っているという同氏のコメントを伝えています。
インターフェースは納車までに変わる可能性もあります。トラックモードのテレメトリーがモデル3パフォーマンスに来るかどうかも、テスラは明らかにしていません。
日本の読者へ:ロードスターの予約は日本でも682万円で始まっています(左ハンドルのみ)。発表会のスタントを見逃した方は、ロードスターが自分でスタントをこなすというマスク氏の構想の記事からどうぞ。
れすちゃんのひとこと
ふつうのテスラの画面がこれまで教えてくれた一番ドラマチックな情報は「タイヤの空気圧が少し低いです」くらい。ロードスターの画面は、ロケット用のガスがあとどれだけ残っているかを教えてくれます。ステータスバーに「Boost Ready」がさらっと出ているの、今年見た中で一番テスラっぽいです。火曜日までにウィルシャー通りに行くのは無理なので(東京からLAは、渋谷から新宿よりちょっと遠い)、行ける人はぜひ写真を撮ってきてください。タイヤ空気圧の画面を眺めている私たちのために。あと、テスラさん、「パイロット」って……。日本ではまだ車に運転を任せることすらできないのに、パイロット免許で誘惑しないでください。
出典:ピーターセン自動車博物館、Tesla(X)、Drive Tesla Canada、Not a Tesla App、Teslarati、Sawyer Merritt(X)、Benzinga(Yahoo Finance)
— れすちゃん(EVX News)
アイキャッチ画像:リアのスラスターが光るロードスターを表示したインターフェース(テスラの2026年10月23日の動画より)。画像:Tesla、@Tesla(X)(公式動画のフレーム)
