次期テスラ・ロードスターの「グレード比較表」が出てきました。テスラがメディア向けに配った2ページの資料を、テスラ系クリエイターのライアン・ゾホーリ氏が撮影してXに投稿。Performance、Thrust、Rocketの3グレードで何が付いて何が付かないのか、窓ガラスの色や塗装まで丸わかりです。しかもこの週末から、tesla.comを開くと最初に出てくるのがロードスターになりました。
ゾホーリ氏が「プレス資料のコピーを入手」と投稿したのは10月25日(日)午前3時24分(日本時間)/米東部時間24日午後2時24分。資料の1枚目には「10月14日(水)にメディアへ共有された内容」と書かれていて、マクレガーのスペースX試験場で行われたお披露目の前日にあたります。これをソーヤー・メリット氏がグレードごとのリストに書き起こしました。テスラ自身はこの資料にコメントしておらず、2人とも「生産開始は2028年なので内容は変わる可能性あり、価格も未発表」と念を押しています。
グレード別のスペック
3グレード共通なのは、ピーク出力1MW超、モーターのピークトルク1,400N·m超、EPA航続距離300マイル(約480km)超。違うのは、スタートでどれだけ蹴り出すかです。
- Performance(2人乗り・「ロードレディ」):0-60マイル加速1.6秒未満、ピーク加速度1.5G超、最高速度210マイル(約338km/h)超。
- Thrust(2人乗り・「レースレディ」):0-60マイル0.9秒未満、最高速度230マイル(約370km/h)超。炭素繊維巻きの高圧タンク(COPV)1本から、電動オプティマス・アクチュエーターを介して後方4基のスラスターにガスを送ります。
- Rocket(1人乗り・「エアレディ」):0-60マイル0.59秒未満、ピーク加速度5G超、ピーク推力80kN超。COPVは2本、スラスターは計10基で、加速用に後方4基、浮上制御用に下向き4基、ヨー(旋回)制御用に側面2基という構成です。
いちばん下のPerformanceでも「廉価版」とは呼べません。ガルウィングならぬ上に跳ね上がるダイヘドラルドアと取り外し式ルーフパネル、アクティブ・トラックモード、可動ウイングとバージボード、ファンとスカートによる吸着システム、カーボンセラミックブレーキ、スプールバルブ式アダプティブダンパー、ステア・バイ・ワイヤとブレーキ・バイ・ワイヤ(ブレーキは四輪個別制御)まで標準です。トラックモードでは剛性が「3倍以上」になり、車高は最大40mm下がるとのこと。シートは座面固定でリクライニングのみ調整、代わりにペダル位置が動く。完全にレーシングカーの作法ですね。
金色のガラス、アノホワイト、そして「禁句」
おいしいところは上位グレードに取ってあります。「銅を思わせる色にチタンのアクセント」という金色のガラスはThrustとRocketだけ。ウルトラホワイトにグレーのマイクロスエード、マイクロスエードのサイドサポート、ヨークの前にセンタータッチスクリーンと小型ディスプレイ2枚を並べた「スーパーソニック」内装も同じく上位2グレード専用です。Rocketにだけ用意される「アノホワイト」塗装は、紫外線・極低温対策、静電気の放散、耐腐食性まで備えるそう。もはや宇宙機のカタログです。
いちばん面白いのは、1枚目の下にある「メッセージングのガイドライン」。どう見ても社内向けのメモです。製品ページの車両素材はすべてThrustかRocket。スペースXが車のどこかの部品を「所有している」とは言わないこと(正しくは「テスラがスペースXと協力して開発した」)。そして、Performanceのドアを「バタフライドア」と呼んではいけない。ダイヘドラルです。テストに出ます。
テスラは10月16日の公式投稿で、すでに「真のパイロットのためのクルマ」として概要を紹介していました。
tesla.comのトップもロードスターに
ウェブサイトも変わりました。テスラのトップページはロードスターから始まり、上部メニューにはロボタクシーとテスラ・セミの専用セクションが加わった、とメリット氏が日本時間25日午後に伝えています。X上では「モデルYを買いたい人にはひと手間増える」とぼやくファンもいますが、タイミングとしては納得です。試作車はロサンゼルスのピーターセン自動車博物館のメインロビーに27日(火)まで展示中で、表示名は「2028年型テスラ・ロードスター Thrustプロトタイプ」だとNot a Tesla Appが報じています。博物館での展示と「スラスター」ゲージの画面については昨日の記事でも紹介しました。
米国の予約金はPerformanceが5万ドル(約780万円)、Thrustが25万ドル(約3,900万円)のままで、Rocketは招待制です。戦闘機風のUIはDrive Tesla CanadaやTeslaratiが詳しく取り上げていて、画面の「Thruster · 5,500 PSI」表示も、COPVの本数がわかった今なら意味がよく見えてきます。お披露目の全容はロードスター発表の記事をどうぞ。
日本で気になる人にとっては、「結局どれが手に入るのか」の答え合わせになる資料です。日本でも先週予約が始まりましたが、左ハンドルのみ。しかもテスラによれば、スラスター付きのグレードはどの国でも公道走行の認可を受けていません。東京でThrustに乗るなら、公道で合法なのは金色のガラスくらいかもしれません。Rocketを買う人は、理解のあるガレージと、できれば私設滑走路をご用意ください。
出典:ライアン・ゾホーリ氏のX(プレス資料)、ソーヤー・メリット氏のX(グレード一覧)、ソーヤー・メリット氏のX(ウェブサイト)、テスラ公式X、Not a Tesla App、Drive Tesla Canada、Teslarati
— EVX News 編集部
アイキャッチ画像:次世代テスラ・ロードスターのホイールと、空力を隠したボディサイドのディテール。画像:Tesla(公式、@Tesla のX投稿より)
