日本のテスラオーナーがドライブ中にいちばんモヤっとする光景。それは「目の前にずらっと並んでいるのに使えない急速充電器」です。これがようやく変わるかもしれません。日経が10月16日に報じたところによると、テスラは2027年1月、日本で新しいCHAdeMOアダプターを発売する予定です。テスラオーナーが国内で使える急速充電口は、ざっと12倍になります。
わかっていること
Touch Labがまとめた日経の報道の中身はこちら。
- 発売:2027年1月。
- 出力:最大130kW。旧CHAdeMOアダプターの上限50kWの2.6倍です。
- 価格:10万円弱。
- テスト:国内の主要な充電器との互換性テストは完了済み、とテスラ。
日本のテスラは、テスラ独自のNACSコネクターを採用しています。旧CHAdeMOアダプターは2024年ごろに販売終了。それ以来、オーナーはフリマアプリで中古品を探し回ってきました。しかも旧アダプターは、夏の暑い日に不安定になりがちだという声も。いちばん充電したいタイミングに限って、です。
「12倍」は盛っていない
充電マップサービスのGoGoEVによると、国内でテスラのNACSコネクターに対応した急速充電口は約1,400口。対してCHAdeMOは約1万4,800口あります。CHAdeMOは日本生まれの急速充電規格で、いまも国内の公共充電の主役です。
いちばん効いてくるのは高速道路です。サービスエリアやパーキングエリアの急速充電器は、ほぼすべてCHAdeMO。いまは長距離ドライブ中のテスラが、スーパーチャージャーを探して高速を降りることも珍しくありません。テスラのネットワークも広がっていて、9月末には東京・墨田に国内157カ所目がオープンしました。ただ、まだ大都市圏に集中しています。アダプターがあれば、サービスエリアの充電器がすべて選択肢になります。
反対側からの動きもあります。テンフィールズファクトリーは10月9日、NEXCO東日本・西日本の入札を勝ち取り、高速道路のパーキングエリア18カ所にFLASH MARK.7充電器を36基設置すると発表しました。最大400kWで、NACSとCHAdeMOの両方のプラグ付き。テスラはアダプターなしで充電できます。2027年12月末までの稼働開始が目標です。NACSのプラグと130kWアダプターのダブルで、日本の高速道路はテスラオーナーにぐっとやさしくなりそうです。
三度目の正直となるか
このアダプター、ずいぶん待たされています。初めて明かしたのは、2025年6月のテスラオーナーズクラブジャパン全国大会でのテスラジャパン橋本社長。当時は2025年中の発売が見込まれていました。2026年3月には、安全性テストに時間が必要だとして4〜6月に延期。そして今回は2027年1月。当初の目標から1年以上遅れています。
それでもTouch Labは、具体的な発売月が示されたのは今回が初めてだとして、慎重ながら前向きです。1月発売なら、旧アダプターの熱問題がいちばんひどくなる来年の夏よりずっと前に間に合います。
テスラだけの話ではない理由
日本は、テスラのプラグが標準になっていない数少ない主要市場のひとつです。北米ではほぼすべての自動車メーカーがNACSを採用しました。でも日本ではCHAdeMOが国のインフラで、それはすぐには変わりません。
速くて手ごろなアダプターは、現実的な答えです。日本でテスラ購入をためらう理由としてよく聞く「地方で充電できなかったらどうしよう」が、これで一つ消えます。モデルYはすでに日本で一番売れている外国ブランド車。この質問にしっかり答えられることは、どんな新グレードより効くかもしれません。
EVX Newsの視点
10万円で1万4,800口の充電器が開放される。EVアクセサリーとしては、これ以上ないくらいのコスパです。もちろんテスラには予定どおりの出荷が求められますし、130kWという数字も、8月のサービスエリアでオーナーが実際の充電速度を報告してくれるまでは半信半疑で待ちます。期待どおりなら、2027年1月は、日本のロングドライブが「スーパーチャージャー宝探し」でなくなる月になるかもしれません。
出典:日本経済新聞、Touch Lab、Touch Lab(2026年3月)、EVsmartブログ、Touch Lab(FLASH)。
— EVX News編集部
アイキャッチ画像:CHAdeMOコネクター。撮影:D-Kuru、出典:Wikimedia Commons、ライセンス:CC BY-SA 4.0。
