「運転席は空っぽ、でも大丈夫」。そんな街が、また3つ増えました。Waymoは10月14日、サンアントニオ、サンディエゴ、タンパの3都市で順番待ちリストを撤廃。アプリをダウンロードすれば、誰でも完全無人の配車を呼べるようになりました。サンアントニオ国際空港の送迎も対象です。次の旅は、運転手のいないクルマから始まるかもしれません。
何が変わったのか
Waymoはタンパとサンディエゴで、9月1日から利用者を「段階的に迎え入れて」きました。Waymoのサービス告知によると、10月14日(火)からは3都市とも招待コードが不要になりました。Waymoはブログで、今年サービスを始めて以来、これらの都市ですでに「数十万人の利用者」を運んだとしています。
地元にとっての大きな勝利は空港です。サンアントニオ市空港局長のヘスス・サエンス氏は、Waymoの発表の中で「Waymoが空港で完全自動運転の送迎を提供することは、Waymo、私たちの市、そして旅行者にとって重要な節目です」と語りました。KSATなど地元メディアも当日に報じています。その前日には、ナッシュビル国際空港でも限定的な送迎が始まりました。空港はいま、明らかに注目の的です。
Waymoはアクセシビリティ(利用しやすさ)も前面に出しました。サンディエゴの高齢者団体や、タンパの視覚障がい者の団体が、運転できない人に自由を取り戻してくれるサービスだと評価しています。正直なところ、これは無人運転車の価値として最も見過ごされがちで、そして最も説得力のある論点です。
一方、パリでは
Waymoの技術は、10月18日に閉幕したパリモーターショーにも登場していました。Aju Pressによると、ヒョンデはWaymoの無人運転システムを搭載したアイオニック5を展示し、米国外への提携拡大を検討すると表明しました。お祭りを欠席するはずのないテスラも、独自の答えを持ち込みました。オースティンで稼働中のロボタクシー車両から連れてきた本物のサイバーキャブと、FSD(監視付き)の無料試乗です。Drive Tesla Canadaが伝えています。
まったく異なる2つの戦略
ここでAI戦略がはっきり分かれます。Waymoは詳細な地図と、ライダー(LiDAR)を含むセンサー群を使い、都市ごとに展開していくスタイル。対象となる米国の都市圏は着実に増えています。一方のテスラは、全車両から学習するカメラのみのニューラルネットワークと、1回の乗車をとびきり安くするために設計された専用車両サイバーキャブに賭けています。Not a Tesla Appによると、テスラはオースティンでモデルYのロボタクシーに加えて300台を超えるサイバーキャブを走らせており、サイバーキャブの次の展開先はダラスです。
どちらの方式も、運転席に誰もいない状態で有料の乗客を運んでいて、どちらも規制当局の厳しい目にさらされています。Waymoはスクールバスをめぐるインシデントで連邦当局から質問を受け、テスラのロボタクシーはスクールゾーンをめぐってNHTSA(米運輸省道路交通安全局)の初期調査を受けています。ロボタクシーは大方の予想を上回るペースで広がっていますが、特別扱いされる会社はありません。
EVX Newsの見方
認めるべきところは認めましょう。3都市と空港を一気に開放したのは、Waymoにとって本物の節目であり、自動運転の流れ全体にとっても朗報です。安全な無人走行の1マイル1マイルが、Waymoにとってもテスラにとっても、次の都市の認可を得やすくします。これからの勝負はコストです。都市数ではWaymoが先行していますが、テスラは価格と規模で勝てると踏んでいます。私たちなら、その賭けの反対側には立ちたくありません。いずれにしても、勝つのは利用者です。
出典:Waymo、Waymoヘルプ、KSAT、Aju Press、Drive Tesla Canada、Not a Tesla App。
— EVX News編集部
アイキャッチ画像:サンフランシスコのミッション・ストリートを走るWaymoのロボタクシー「Ojai」。撮影:Daniel Lu(Wikimedia Commonsより、ライセンス:CC BY-SA 4.0)。
