テスラ・オプティマスV3の設計が「基本的に凍結」 ロボットにとって、これ以上ホットなニュースはない

オプティマスの開発チームは、そろそろ設計図の描き直しから解放されるかもしれません。テスラの人型ロボットの中核サプライヤーであるSeepinが、10月12日付の提出書類で、オプティマスV3のハードウェア設計は「基本的に凍結(フリーズ)された」と当局に説明し、量産が近いことを明かしました。ロボットにとって「凍結」は、いま一番ホットな言葉です。

サプライヤーが明かしたこと

杭州に拠点を置くSeepinは、遊星ローラーねじと直動式の電動ジョイントを手がけています。モーターの回転を、ロボットの腕や脚に必要な力強く正確な「押す・引く」動きに変える部品で、いわばロボットの筋肉です。The Yangtzeerによると、同社はIPO計画をめぐる深セン証券取引所からの質問への回答の中で、この情報を明かしました。ポイントは次のとおりです。

  • オプティマスの設計は最終段階に近づいており、テスラは2026年末までにオプティマスV3の量産を始める計画です。
  • SeepinはV3のハードウェアが「基本的に凍結された」とし、同社が供給する高負荷ジョイントについては、現実的な代替品が見当たらないとしています。
  • Seepinの試算では、ローラーねじは人型ロボットのハードウェア価値の約20%を占めます。同社のエンボディドAI(身体性AI)ロボット関連の売上は2025年に346%増え、3,111万元(約465万ドル)に達しました。チーム・オプティマスに入るのは、なかなか割のいい話です。

念のため付け加えると、これはサプライヤーのIPO書類であって、テスラの公式発表ではありません。ただ、テスラが今年ずっと語ってきた内容とはきれいに一致します。Teslaratiが伝えてきたとおり、第3世代の生産はフリーモント工場の旧モデルS・モデルXラインを改装した場所で始まっており、このラインは将来的に年100万台のロボットを作る前提で設計されています。イーロンは伝説的な2車種をロボット工場と引き換えにしたわけですが、その賭けは日に日に賢く見えてきます。

サプライチェーンが次々と固まる

Seepinは、主要な中国サプライヤー数社のうちの1社です。9月中旬には、テスラのロボット部門が寧波で、拓普集団(アクチュエーター)、寧波均勝電子(センサーとコントローラー)、浙江三花智能制御(関節モジュールと熱管理部品)の3社を監査しました。ブルームバーグを引用したTeslaratiによると、この訪問で3社はそろって量産パートナーとして認定されたといいます。3社はいずれもすでにテスラの車に部品を納めていて、そこが肝心なところです。大衆向けロボットに必要なのは、自動車レベルの精度と量産力です。何百万台もの車を作ってきた経験は、ロボットづくりのいい予行演習だったようです。

テスラは、すべてを自国で作れる選択肢も確保したい考えです。マスク氏は今月、中国の磁石輸出規制でオプティマスの開発が2〜3カ月遅れたと語り、しばらくは「腕のないロボット」を抱えていたと明かしました。ロボットとしては格好がつきませんが、十分に解決できる問題です。

最大の難関は、やはり「手」

The Yangtzeerによると、V3の手は22自由度を備え、ロボットのハードウェア価値のおよそ5分の1を占めますが、その多くはいまも手作業で組み立てられています(人間がロボットの手を手で作っているわけです。この皮肉を楽しめるのも今のうちかもしれません)。テスラはセンサーの面からもこの課題に取り組んでいます。10月8日に公開された特許出願には、指や親指、手のひらを包み込む、柔らかく曲面に沿う触覚センサーアレイが記されています。Not a Tesla Appは、これによりオプティマスがどこをどれくらいの強さで握っているかを感じ取り、触っただけで物を見分けられるようになる可能性もあると指摘しています。

パリでお披露目、次は決算説明会

まずはパリでひと足早くお披露目がありました。Drive Tesla Canadaによると、10月18日に閉幕したパリモーターショーのテスラブース(ホール7.1)では、オプティマス第2世代が、オースティンのロボタクシー車両から持ち込まれたサイバーキャブと並んで展示されました。

オプティマスは、米国時間10月21日に開かれるテスラの第3四半期決算説明会を前に、株主の関心の的にもなっています。Drive Tesla Canadaによると、テスラの投資家向けQ&Aプラットフォームで票を集めた上位10問のうち2問が、オプティマス1台あたりの製造コスト、最初の有料顧客は誰か、そしてロボットがいつ稼ぎ始めるのかを尋ねています。つまり、投資家もワクワクしているということです。

EVX Newsの視点

設計の凍結は地味ですが、いちばん大事な節目です。仕様が変わり続ける製品のために工場の設備を整えることはできないからです。認定サプライヤー、改装済みのフリーモントのライン、そしてテキサスで準備が進む巨大工場。量産に向けたピースが次々とはまり始めています。テスラはこれまでも「量産は不可能」と言われたものを「生産中」に変えてきました。オプティマスにも同じ空気を感じます。ペースを決めるのは手。米国時間の水曜日(10月21日)の決算説明会で、具体的な数字が出てくることを期待しています。ポップコーンの準備はできています。

出典:The Yangtzeer、Teslarati、Not a Tesla App、Drive Tesla Canada、Drive Tesla Canada。

— EVX News編集部

アイキャッチ画像:テスラのショールームに展示されたオプティマス。撮影:Sikander(Wikimedia Commonsより、CC BY-SA 4.0)。

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