テスラのタッチスクリーンを見て目を細めたことがある人に朗報です。文字はもっと大きくなります。イーロン・マスク氏は日曜日、テスラは「UIに大きなフォントのオプションを追加する」と認めました。きっかけは、購入を考えていた高齢の隣人が、テスラにすでにある「大きい」文字設定にしても画面が読めなかった、というオーナーの投稿でした。
ひとつの投稿がマスク氏に届くまで
始まりは、隣人にFSD(監視付き)を見せていたスティーブン・フレミング氏(@StephenFleming)でした。彼によると、その女性は「完璧な見込み客だ。お金持ちで、ひとり暮らしで、視力の衰えで夜はもう運転しない。FSDは彼女の人生を変えるだろう」。その場で小切手を書く気満々だったのに、「画面の文字がとにかく小さすぎる。表示を大きい文字に設定してもだ」というのが唯一の問題でした。
彼の提案は単刀直入です。「テスラさん、使える画面は100平方インチもある。最低48ポイントの文字で、オプションの『シニア向け』UIを作ってほしい」。さらに経営思想家トム・ピーターズ氏の、50歳以上の女性がクルマの購入で大きな決定権を持っている、という指摘を引用し、「そして彼女たちの多くは遠近両用メガネをかけている」と付け加えました。
米国時間の日曜朝、マスク氏はこう返信しました。
いまのテスラでできること
テスラにはすでに文字を大きくする設定がありますが、限界があります。Not a Tesla Appの解説はこうです。
- テスラは2023年に文字サイズ「大きい」を追加し、アップデート2023.20ですべての対応言語で使えるようになりました。
- 場所はコントロール > ディスプレイ > 文字サイズ。「標準」と「大きい」から選べます。
- 切り替えるたびに再起動が必要です。
- 「大きい」設定でも、画面の一部はもうギリギリ。これが、年配のドライバーには十分な大きさにならない理由のひとつです。
この最後のポイントこそ、本当のエンジニアリング課題です。「大きい」より大きな文字は今のレイアウトに収まりません。本格的なアクセシビリティモードをつくるなら、フォントサイズを変えるだけでなく、画面の配置そのものを組み替えることになりそうです。Not a Tesla Appは、選んだ文字サイズに合わせてレイアウトが変わる、より柔軟なUIが必要かもしれないとし、本格的なロービジョン(弱視)モードなら、大きなタッチボタンや要所での太字も含まれるかもしれないと書いています。
いつ来るの?
マスク氏は日付を出しておらず、バージョン番号もまだありません。Not a Tesla Appは、テスラ恒例のホリデーアップデートが2カ月ほど先に控えていて、1年でいちばん大きなソフトウェア配信だけに、こうした機能の受け皿として自然だと指摘しています。ただ、公式のリリースノートに載るまでは、時期はあくまで推測です。配信が始まったら、正確なバージョン番号つきでソフトウェアアップデート記事としてお伝えします。
見た目以上に大事な話
これはただのフォント設定ではありません。年配のドライバーや夜の運転をやめた人たちは、今のFSD(監視付き)からも、テスラが描く将来の監視なし自動運転からも、いちばん恩恵を受ける人たちです。小さな文字が購入をためらわせているなら、テスラにとっては本物の問題です。フレミング氏の隣人は、買う気満々なのに画面が読めなかった、そういうお客さんの典型でした。
テスラはほかの場面でもアクセシビリティを考えています。Not a Tesla Appによると、サイバーキャブには車いすの高さに合わせたシートがあり、車内のボタンには点字が付いています。ほかのモデルにもロービジョン向けUIが来れば、同じ考え方の延長です。つまり、運転できない人や運転したくない人にも使えるクルマ、ということです。
テスラのソフトウェアの仕組みを思い出させてくれる話でもあります。ほとんどの自動車メーカーなら「文字が小さい」は次のモデルで直す話。テスラなら、土曜日にXに寄せられた不満に日曜日にCEOが対応を約束し、すでに道を走っているクルマに無線で届くのです。
EVX Newsの視点
この話、大好きです。コストは小さく、助かる人は多く、テスラがちゃんと声を聞いていることも伝わります。日本は高齢化が急速に進んでいて、年配のテスラオーナーもたくさんいます。アクセシビリティモードは、日本のドライバーにとってもうれしい機能になるはずです。編集部からのアップデートの希望リストは、本当に大きな文字、大きなボタン、ハイコントラスト表示、そして切り替えに再起動がいらないこと。ご両親の目もきっと喜びます。老眼鏡を探す時間も減りそうです。
出典:Not a Tesla App、@StephenFleming(X)、イーロン・マスク氏(@elonmusk、X)。
— EVX News編集部
アイキャッチ画像:「Tesla Model Y 2025 interior」撮影:Ethan Llamas、出典:Wikimedia Commons、ライセンス:CC BY-SA 4.0。
