株価ウォッチ:スペースXが9.14%安で地球に帰還、テスラは「節約しすぎ」で3.08%安 東京の半導体株は総崩れ

決算で打ち上がったものは、翌朝ちゃんと降りてくる。スペースXは水曜の急騰分をほぼ吐き出して9.14%安の144.75ドル(約2万2,700円)、米国ボードで最大の下げでした。テスラも決算明けの初日に3.08%安の374.58ドル(約5万8,800円)。どちらも悪材料が出たわけではなく、AI関連株がまとめて売られた日です。ナスダック総合指数は2.60%安の2万6008.86と、6月以来の大きな下げ。東京はそれより先に崩れていて、日経平均は半導体株の急落で2.65%安、当サイトの東京23銘柄で上がったのは2銘柄だけでした。

きょうのポイント

  • スペースX(SPCX)144.75ドル(約2万2,700円)、−9.14%。水曜の7.79%高は一日で思い出に。モトリーフールは、利益確定売りに加えて、ちょうどこの日にインサイダーの大量の株がロックアップ解除で売れるようになったことを理由に挙げています。出来高は3カ月平均を約96%上回りました。もうひとつの不安材料が設備投資。7〜9月期に196億ドル(約3.1兆円)を使い、10〜12月期は計算資源の増強で350億〜400億ドル(約5.5兆〜6.3兆円)を見込むとYahoo Financeが伝えています。5営業日では2.60%安ですが、公開価格135ドル(約2万1,200円)と比べればまだ7.22%高です(決算当日の値動きは昨日の株価ウォッチで)。
  • テスラ(TSLA)374.58ドル(約5万8,800円)、−3.08%。利益は予想超え、市場がキャッシュの流出を見込んでいたところでフリーキャッシュフローは15.3億ドル(約2,400億円)のプラス。なのに「お金を使わなさすぎ」で売られるという、ちょっと不思議な展開です。2026年の設備投資見通しを250億ドル(約3.9兆円)超から約200億ドル(約3.1兆円)に引き下げたことで、サイバーキャブやオプティマスへの道のりが遅れるのではと受け止められた、とロイター。でも、オプティマスはすでにフリーモントの量産ラインで生産が始まっていますし、北米の納車の75%超で有料FSDの申し込みがあったとNot a Tesla Appの説明会まとめは伝えています。タネジャCFOは設備投資を「主に営業キャッシュフローでまかなう」と説明(Yahoo Finance)。決算の詳細はこちらの記事で。5営業日ではまだ3.35%高、年初来は16.71%安です。時間外はほぼ動かず、ナスダックの気配は日本時間23日午前7時51分(米東部時間22日午後6時51分)時点で373.54ドル(約5万8,600円)、0.28%安でした。
  • AI投資のツケが回ってきた日。メタはAIインフラの資金づくりで新しい種類の株式を発行すると発表して7%安、ラムリサーチは決算後に12%安、フィラデルフィア半導体株指数は6.7%下がったとロイター。エヌビディアは4.40%安の212.21ドル(約3万3,300円)、アルファベットは3.15%安です。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOはCNBCに「資本が足りていない」と語っています。S&P500は1.21%安の7663.43、ダウだけは0.02%高となんとか踏みとどまりました。
  • ルーシッド(LCID)3.46ドル(約540円)、+7.79%。米国ボードの値上がり率トップ。会社発表はなかったものの、エヌビディアが水曜、配車大手Boltが欧州のロボタクシー計画に同社の自動運転ソフト「Alpamayo」を採用し、将来のルーシッド車を少なくとも2万5000台使う計画だと明かしていました(Benzinga)。ただ年初来ではまだ67.27%安。ひと息ついた、くらいの感じです。
  • そのほか。クアンタムスケープが4.27%高、ウーバーが2.11%高、GMが1.45%高。米国ボード23銘柄で上がったのは6銘柄だけです。サーブ・ロボティクスは5.88%安で、5営業日では17.48%安。香港では自動車株が売られ、ハンセン指数が3.03%安となるなか、BYDは5.27%安の67.40香港ドル(約1,350円)(金投網)。チャージポイントは2.15%安でしたが、年初来23.64%高は米国ボードでいまもトップです。

米国株ボード

2026年10月22日(木)の終値。前日比は21日(水)終値、5日間は10月15日終値、年初来は2025年12月31日終値との比較です。

ティッカー銘柄終値前日比5日間年初来
マスク銘柄
TSLAテスラ$374.58−3.08%+3.35%−16.71%
SPCXスペースX$144.75−9.14%−2.60%+7.22%*
米国EVメーカー
RIVNリヴィアン$12.06−3.21%−7.37%−38.81%
LCIDルーシッド$3.46+7.79%−1.14%−67.27%
GMゼネラル・モーターズ$77.21+1.45%−7.71%−5.05%
Fフォード$11.94+0.34%−3.01%−8.99%
中国EV
1211 HKBYD(香港、香港ドル)HK$67.40†−5.27%−7.48%−29.31%
NIONIO$3.31−1.49%−5.43%−35.10%
XPEV小鵬汽車(XPeng)$9.07−3.10%−5.82%−55.28%
LI理想汽車(Li Auto)$11.47−0.26%+0.09%−32.25%
自動運転・AI半導体
NVDAエヌビディア$212.21−4.40%−2.31%+13.79%
GOOGLアルファベット(ウェイモ)$324.22−3.15%−7.16%+3.58%
MBLYモービルアイ$6.95−1.00%−6.46%−33.43%
UBERウーバー$69.05+2.11%−3.11%−15.49%
ロボット
SYMシンボティック$40.36−3.28%+1.51%−32.17%
SERVサーブ・ロボティクス$2.88−5.88%−17.48%−72.25%
太陽光・蓄電
FSLRファースト・ソーラー$171.25−2.04%−4.23%−34.44%
ENPHエンフェーズ$31.35−2.00%+1.72%−2.18%
RUNサンラン$7.70+1.05%+0.79%−58.15%
SEDGソーラーエッジ$32.94−0.75%+4.80%+14.18%
電池・素材
ALBアルベマール$92.54−2.04%−5.74%−34.57%
QSクアンタムスケープ$4.15+4.27%−1.89%−60.17%
充電
CHPTチャージポイント$8.21−2.15%+13.55%+23.64%

表の米ドル建て株価は、1ドル=約157円(2026年10月23日時点)で円に換算できます。

* スペースXは2026年6月12日上場のため、年初来の欄は公開価格135ドル(約2万1,200円)からの騰落率です。† BYDは米国ADRの取引が薄いため、香港上場株(1211 HK、香港ドル建て)を掲載しています。香港市場は19日(月)が休場だったため、BYDの5日間は10月14日終値との比較です。ウーバーの終値はNasdaq.comとstockanalysis.comの69.05ドル(約1万800円)を採用しました(Yahoo Financeは69.07ドル(約1万800円))。

東京コーナー

木曜の東京は散々でした。日経平均は1713円40銭安(2.65%安)の6万2907円84銭で、この日の安値で引けています(株探)。日本経済新聞によると7月30日以来、3カ月ぶりの安値水準。前日にAI・半導体株を押し上げたスペースXの好決算はもう織り込み済みで、利益確定の売りが先行しました。米ラムリサーチの時間外での下落と、メタの巨額AI投資への不安も追い打ちに。フィスコの寄与度ランキングでは、アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで日経平均を約805円押し下げています。TOPIXは1.14%安と、まだましな下げでした(株探ニュース/Yahoo!ファイナンス)。

当サイトのリストでいちばん痛かったのはハーモニック・ドライブ・システムズで、9.55%安の4875円。ロボットの関節に入る波動歯車装置のメーカーですが、下げにつながる会社発表は見当たりませんでした。東京エレクトロンは6.99%安の9450円、ソフトバンクグループは6.86%安の4305円(5営業日で11.27%安)、アドバンテストは6.01%安の3万2370円。テスラの電池パートナーのパナソニックHDも5.25%安の3700円ですが、年初来ではまだ82.85%高です。ファナック、安川電機、ナブテスコもそろって3.42%〜4.38%安と、ロボット勢も元気なし。そんな中でソニーグループは1.72%高の4081円、5営業日でも5.07%高と気を吐きました。ほかに上がったのはマツダ(+0.42%)だけ。自動車株はおおむね持ちこたえ、トヨタは0.32%安の3084円にとどまった一方、日産は2.64%安の269.6円でした。

コード銘柄終値(円)前日比5日間年初来
自動車
7203トヨタ自動車3,084−0.32%+1.82%−8.10%
7267ホンダ1,796.5−0.42%+1.15%+16.96%
7201日産自動車269.6−2.64%−1.25%−30.89%
7261マツダ1,083.5−0.91%−0.78%−11.12%
7270SUBARU2,646+0.42%+1.61%−22.06%
7269スズキ2,040.5−0.37%−0.95%−12.59%
7211三菱自動車345.1−1.51%−0.38%−6.98%
電池・素材
6752パナソニックHD3,700−5.25%−6.64%+82.85%
6674GSユアサ4,690−3.36%−6.65%+25.07%
5713住友金属鉱山8,094−3.26%−5.97%+27.32%
EV部品
6902デンソー1,853.5−0.43%+0.46%−14.11%
6594ニデック1,715−2.67%−5.72%−19.56%
7259アイシン2,142.5−0.99%−0.30%−26.78%
ロボット・FA
6954ファナック5,624−3.42%−4.79%−7.56%
6506安川電機4,033−4.07%−5.64%−15.20%
6861キーエンス80,360−0.62%+1.76%+41.78%
6324ハーモニック・ドライブ・システムズ4,875−9.55%−5.52%+28.97%
6268ナブテスコ4,166−4.38%−6.19%+11.15%
半導体・AI・テック
8035東京エレクトロン9,450−6.99%−8.83%+37.67%
6857アドバンテスト32,370−6.01%−5.74%+64.86%
6723ルネサスエレクトロニクス2,919−2.70%−3.15%+36.40%
6758ソニーグループ4,081+1.72%+5.07%+1.42%
9984ソフトバンクグループ4,305−6.86%−11.27%−2.16%

東京市場は2026年10月22日(木)の終値(午後3時30分)。5日間は10月15日終値、年初来は2025年の最終売買日である12月30日の終値との比較です。

今後の注目点

  • 10月23日(金):東京は反発できるか。寄り付き前の午前8時30分に9月の全国消費者物価指数が出ます(47NEWS)。米国の取引開始は日本時間23日午後10時30分(米東部時間午前9時30分)。
  • 10月24日(土):スペースXの次のロックアップ解除。さらに3億2800万株が解除される予定です(Stocktwits/Yahoo Finance)。土曜なので、影響が出るとしたら週明け月曜の取引から。SPCXのナスダック時間外気配は、日本時間23日午前7時51分時点で147.15ドル(約2万3,100円)(1.66%高)でした。
  • 10月30日:東京エレクトロンの決算(Yahoo!ファイナンス)。同じ日がテスラによるNHTSAのサイバーキャブ調査への回答期限です(Not a Tesla App)。サイバーキャブのダラスでの乗車サービスは来月スタート予定(関連記事)。

EVX Newsのひとこと

量産ラインでオプティマスを作り始め、キャッシュフローも黒字にした会社が「節約しすぎ」で売られる。同じ日にメタは「使いすぎ」で売られているので、相場もなかなか気まぐれです。スペースXの下げは、ロックアップ解除の需給でほぼ説明がつくと見ています。マスク氏は約1カ月でオプティマスのデモ動画を出すかもしれないと話していて(Yahoo Finance)、半導体株がまだ二日酔いのうちに出てくれば、先に立ち直るのはテスラかもしれません。

株価:Yahoo Finance。全銘柄をstockanalysis.comと照合し、NVDA・UBER・SPCX・TSLAの終値はNasdaq.comの公式終値でも確認しています。2026年10月22日(木)の終値時点(米国は東部時間午後4時=日本時間23日午前5時、東京・香港は22日の終値)。東京の終値は株探でも抜き取り確認済み。時間外気配:Nasdaq.com。指数:Yahoo Finance、ロイター、株探。

投資助言ではありません。株価ウォッチはニュースとエンタメのための記事で、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。投資の判断はご自身で、必要に応じて資格を持つ専門家に相談してください。

出典:Not a Tesla App(説明会まとめ)、Not a Tesla App(説明会プレビュー)、Yahoo Finance(テスラ)、Yahoo Finance(スペースX)、モトリーフール、ロイター(Investing.com、テスラ)、ロイター(Investing.com、AI株安)、CNBC、Benzinga、Stocktwits/Yahoo Finance、金投網、日本経済新聞、フィスコ(Investing.com日本版)、株探ニュース/Yahoo!ファイナンス、47NEWS、株探、Yahoo!ファイナンス。アイキャッチ画像:2016年4月、CRS-8ミッション後にドローン船に着陸したファルコン9の第1段。画像:SpaceX(Wikimedia Commons、CC0)。

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EVX News Desk
EVX News Deskhttps://evxnews.com
EVX News Deskは、東京からテスラ、スペースX、EV、AI、ロボティクスの最新ニュースを毎日お届けしています。すべての記事は編集方針に基づいて出典を確認・検証し、EVX News創設者・編集長のレスター・ミヤシロ(Lester Miyashiro)が編集しています。

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