テスラが12月3日の年次株主総会に向けて、さっそく「清き一票」のお願いを始めました。X(旧Twitter)への投稿と刷新されたVoteTesla.comで、議案3つすべてに「賛成」を、と株主に呼びかけています。トップに並ぶのはイーロン・マスク氏、ロビン・デンホルム取締役会長、JB・ストローベル氏の再任。おまけに今年の「ハイライト集」まで付いてきて、しかも第3四半期決算の2日前というタイミングです。
テスラのお願いは何か
投稿は米国時間10月19日(月)。「今年は、イーロン・マスク、ロビン・デンホルム、JB・ストローベルの取締役再任を含め、議案3つすべてに『賛成』の投票をお願いします」という内容です。さらに、昨年は「驚くほど豊かな世界をつくる」ビジョンを示し、今年はそれが「形になりつつある」とアピール。投票方法とコントロール番号は近日中に届くそうです。
3人はいずれもテスラの「クラスI」取締役で、VoteTesla.comによると、再任されればそれぞれ3年の任期を務めます。推薦文は短くてキレがいい。マスク氏は「変革の設計者」、デンホルム会長は「着実なリーダーシップでガバナンスの枠組みを形づくってきた」人、ストローベル氏は10年以上「テスラの技術開発の中心」にいたバッテリーとエネルギーのベテラン。締めの一言は「急速な技術変化の時代には、リーダーシップの継続性が重要」です。
今年のハイライト集
テスラウォッチャーとして面白いのは、テスラが根拠として並べた2026年の実績リストのほう。VoteTesla.comからそのまま拾うと、こんな感じです。
- 累計1,000万台超を納車。6年でコア車両の生産規模を10倍に。
- サイバーキャブ始動。ハンドルもペダルもない完全自動運転車が、ロボタクシーの車両に加わりました。
- ロボタクシーは米国7都市で展開。
- FSD(監視付き)の有料ユーザーは世界で約150万人、累計走行距離は150億マイル超。
- エネルギー貯蔵の累計導入量は130GWh超。上海メガファクトリーは過去最高ペースで、テキサスのメガファクトリーではメガパック3の生産が始まりました。
- ネバダでセミ工場が稼働し、フリーモントにはオプティマスの大量生産ライン。
- 重要部品を大規模に確保するための「テラファブ」構想。
オプティマスのラインは、週末に伝わったオプティマスV3の設計は「ほぼ固まった」という話ときれいにつながります。設計が固まって、生産ラインがある。ロボットが「デモ」から「製品」になるのは、この瞬間です。
会場に行きたい? まずは抽選へ
テスラの招集通知(委任状説明書)によると、総会は12月3日(木)午後3時(米国中部時間)、ギガファクトリー・テキサスで開かれます。日本時間では12月4日(金)の朝6時。席に限りがあるので、昨年と同じく会場参加者は抽選です。Drive Tesla Canadaによると、2026年10月13日時点でテスラ株を保有していること(直接でも証券会社経由でも可)が条件で、保有の証明を添えて11月6日午後11時59分(米国中部時間)までに応募します。
- 当選者には11月16日の週にメールで連絡があり、48時間以内の確認が必要になる場合があります。
- 招待は譲渡不可、当日は政府発行の身分証明書が必要。旅費やホテル代は自腹です。
- 外れても大丈夫。16桁のコントロール番号があればオンラインで投票やコメントができ、総会はライブ配信されます。
個人株主向けには、同じサイトで無料・任意の「リテール投票プログラム」も案内しています。あらかじめ投票の方針を登録しておける仕組みです。
一方、モデルY Lの行列はどんどん長く
ラインナップの一角では、需要はまったく問題になっていません。Not a Tesla AppとDrive Tesla Canadaによると、米国でモデルY L「ローンチシリーズ」を新規注文した場合の納車見込みは2027年1〜3月にずれ込み、一部では2〜4月と表示されているそうです。6人乗りのローンチシリーズは米国で6万1,990ドルからで、FSD(監視付き)、スーパーチャージャー、プレミアムコネクティビティがそれぞれ1年分付いてきます。待つのはつらいですが、いちばん高いモデルYに行列ができるのは、自動車メーカーにとっては、うれしい悲鳴というやつです。
なぜ重要か
テスラの株主投票は、どうしても「マスク氏の信任投票」になりがちです。今回テスラは、実際に世に出たものリストという最強のカードから切ってきました。ハンドルのないロボタクシー、150万人の有料FSDユーザー、オプティマス専用ライン。どれも簡単には否定できません。そして次の試験は12月より前にやってきます。テスラは米国時間10月21日(水)、日本時間では22日(木)早朝に第3四半期決算を発表予定。サイバーキャブの量産、ロボタクシーの展開都市、オプティマスのスケジュール、そして日本を含む新しい市場でのFSD。この決算説明会での答えが、株主のこの投票の見方を左右しそうです。
出典:テスラ公式X、VoteTesla.com、テスラ招集通知(米SEC)、Drive Tesla Canada、Not a Tesla App。
— EVX News編集部
アイキャッチ画像:テスラ2026年年次株主総会の投票告知画像。画像:テスラ(テスラ公式Xより)。
