AmazonがAIショッピングエージェントの締め出しを始めました。で、イーロン・マスク氏の最初の反応は「じゃあライバルをつくろうか」。ユーザーのGrok Botがストアに入れなくなったのを受けて、「Amazonの競合を始めるべきかもね」と投稿したのです。
何が起きたのか
Grok Botのユーザーが、Amazonでこんなエラーに出くわすようになりました。「許可されていないAIエージェントによる継続的なアクセスは、お客様が同意したAmazonの利用規約に違反します」。Teslaratiによると、あるユーザーはボットでまったく注文できなくなったそうです。
10月15日、マスク氏の答えはこうでした。
「Grok @Botに、欲しいものをどこか別の場所で、もっと安く買うよう頼めばいい。買い物サイトはAmazonだけじゃない!」
そして「X Shop」を提案したユーザーへの返信で、みんなの目を引いたひと言が飛び出します。「Amazonの競合を始めるべきかもね」。ただNot a Tesla Appが強調するとおり、これは正式な発表ではありません。詳細も計画も、まだ何もありません。
ミスの補償まで申し出
同じ日の早い時間、マスク氏は目を引く約束もしていました。クレジットカードの写真を送ったらGrok Botが航空券を予約してくれた、というユーザーに対し、「これはうまく機能する。もしGrok @Botが買い物でミスをしたり、カード情報を漏らしたりしたら(まだ一度もないが)、SpaceXが全額補償する」と返信。Teslaratiによると、これは一般に責任の上限を定めている公開済みの消費者向け規約より踏み込んだ内容です。今のところは正式な方針ではなく、X上での発言にとどまります。
ブロックは今週始まったわけでもありません。10月10日、AmazonがボットをブロックしているとユーザーがXで報告した際、マスク氏はGrokが別の方法を見つけると答え、Grokがレゴの公式サイトで注文した画面を見せていました。
小売業者がピリピリする理由
Grokのショッピングエージェントは、ユーザーの代わりにお得な商品を探して購入まで済ませます。つまり、ユーザーは小売サイトを訪れる必要すらありません。買う側には便利ですが、広告やおすすめ、ついで買いの提案といった「買い物体験」を握ることで稼いでいる小売業者にとっては脅威です。Not a Tesla Appによると、Amazonは自社のAIショッピングツールを開発しながら、MetaのショッピングエージェントMuseもブロックしていると報じられています。
これはテスラオーナーにも関係のある話です。Grok Botは9月22日にテスラ車に登場し、今ではすべてのサイバーキャブとモデルYのロボタクシーで使えます。乗車中にボットへ食料品やコーヒーを頼むなら、小売業者がエージェントを受け入れてくれることが前提になります。
マスク氏、本当にやれる?
Not a Tesla Appが冷静に現実を確認しています。Amazonは何十年もかけて倉庫とラストワンマイルの配送網を築いてきました。ライバルには、賢いAIの窓口だけでなく、出品者、物流、そして習慣を変えてくれる顧客が必要です。Amazonの時価総額は約2兆7,300億ドルで、テスラ(1兆4,200億ドル)のおよそ2倍。Xを所有するSpaceXは約1兆9,400億ドルです。テスラとSpaceXを合わせて、ようやくAmazonを上回ります。
とはいえ、マスク氏には何気ない投稿を本物の会社に変えてきた長い実績があります。最初からAIの買い物客向けにつくる「エージェントファースト」のストア。突拍子もないアイデアとは言い切れません。
EVX Newsの視点
エージェントをブロックすれば、短期的にはAmazonの店先は守れます。でも顧客は、自分のボットが用事を済ませられる場所へ流れていくものです。マスク氏の返事を要約すると、「AIの買い物客を相手にしないなら、ほかの誰かがやる」。その誰かが「X Shop」になるかはわかりません。ただ、ボット相手の商売を誰が握るか、そのケンカはもう始まっています。
出典:Not a Tesla App、Teslarati、Drive Tesla Canada(ロボタクシーのGrok Bot)、イーロン・マスク氏のX投稿。
— EVX News編集部
アイキャッチ画像:イーロン・マスク氏。撮影:Gage Skidmore(米国アリゾナ州サプライズ)、出典:Wikimedia Commons、ライセンス:CC BY-SA 2.0。
