テスラ車が、屋根のソーラーパネルの「空気を読む」ようになりました。
パワーウォールと第3世代ウォールコネクター向けのファームウェア26.34で、両者が連携。電気が一番安いとき、あるいは太陽がタダで働いてくれているときに、自宅でクルマを充電できるようになったのです。
アップデートがオーナーの手元に届き始めたのは10月11〜12日の週末。オーストラリアのオーナー@EVStrayaさんはいち早くXに投稿し、「ウォールコネクターがスマート充電で太陽光を使えるようになった」と報告しました。Not a Tesla Appによると、この機能に関する文字列は5月の時点でテスラアプリの中に見つかっていました。それがついに使えるようになったわけです。
モードは2つ、考え方はひとつ「かしこく充電」
ウォールコネクターは、パワーウォールの運転モードに合わせて動きます。
- 節約モード → 低コスト充電。電力会社の料金プランと太陽光の発電量を見て、電気が一番安いタイミングで充電します。夜間が割安な時間帯別料金プランなら、こちらが正解です。
- 自家消費モード → 太陽光で充電。余った太陽光を電力網に流す代わりにクルマに回すので、屋根でつくった電気をより多く家の中で使えます。ただしテスラは「1日の充電量が変わる場合がある」と注意しています。曇りの日もありますからね。
パワーウォールがすでに自家消費モードなら、アップデート後はウォールコネクターも自動的に「太陽光で充電」に切り替わります。とにかく安さ重視なら節約モードに切り替え、アプリの料金プランが最新になっているか確認しておきましょう。
旧型のパワーウォールもOK
対象は最新ハードウェアだけではありません。Drive Tesla Canadaによると、第3世代ウォールコネクターと組み合わせていれば、旧型のパワーウォール2でも使えます。実際、@EVStrayaさんの環境もパワーウォール2が3台と第3世代ウォールコネクターです。古いハードウェアに新機能が来ることはあまりないので、うれしいサプライズです。
設定方法
- テスラアプリを開きます。
- 設定 > 車両の充電 >(お使いのウォールコネクター)> 充電設定に進みます。
- ウォールコネクターとパワーウォールが同じWi-Fiネットワークにつながっていることを確認します。
注意点は2つ。スマート充電を設定できるのは一度に1台のウォールコネクターだけです。またテスラは、こまめにプラグをつなぎ、「最低充電目標は低めに、出発時刻は毎日の運転に合わせて」設定するよう勧めています。システムに余裕を持たせるほど、航続距離を犠牲にせず、安い電力や日差しをじっくり待てるというわけです。
なぜ重要なのか
EVの環境面・お財布面のメリットは、充電のしかたで大きく変わります。昼間の太陽光で充電したクルマなら、走行はほぼゼロエミッション。割安な時間帯の電力なら、ガソリン満タンのごく一部のコストで済みます。とはいえ、どちらも手動で最適化する家庭はほとんどありません。その判断をハードウェアに組み込んでしまえば、オーナーは何も考えずに恩恵を受けられます。
テスラ・エナジーにとっては、ここ数週間で相次ぐアップデートのひとつでもあります。10月上旬には、パワーウォール3と組み合わせた新しいモデル3・モデルY向けに「Powershare Home Backup」を開始。停電時にクルマが家のバックアップ電源になり、テスラいわく「自宅のバックアップを2日以上延長できる」とのこと。これと合わせると、クルマと充電器と蓄電池が、ひとつの家庭用エネルギーシステムとして動き始めます。電力会社が何年も約束してきた「連携する家庭のエネルギー」を、テスラはソフトウェアアップデートで届けているのです。
EVX Newsの視点
地味です。でも効きます。ランニングコストは下がるし、すでにお金を払って載せた太陽光をもっと使えるし、オーナーの手間はほぼゼロ。「太陽光+EV」を趣味の世界から当たり前の選択に変えるのは、こういう機能です。最高のサステナビリティ機能は、一度設定したら忘れていい機能なのです。
出典:Not a Tesla App、Drive Tesla Canada、Tesla Energy(X)。
— EVX News編集部
アイキャッチ画像:壁に取り付けられたテスラ・ウォールコネクター。撮影:Whoisjohngalt、出典:Wikimedia Commons、ライセンス:CC BY-SA 4.0(トリミングあり)。
